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JOURNAL / 世界の食トレンド

Sweden [Stockholm] 捨てられてしまう魚の皮を、サステナ素材として活用しよう!

2022.12.08

捨てられてしまう魚の皮を、サステナ素材として活用しよう!

text by Sakiko Jin / photographs by Håkan Olsen(photo1), Lotta Rahme(photo2,3), Catarina Hällzon(photo4,5)

“Head to Tail=頭から尻尾まで全てを使い尽くす”という概念は、ここ数年、レストラン業界では常識の一つになっている。だが魚介に関しては、世界には魚の皮を食する文化を持たない国もたくさんあり、スウェーデンもそのうちの一国だ。しかし食するだけが解決法ではない。

「フィッシュスキン(FISHSkin)」は、EUの研究者育成制度マリー・キュリー スクウォドフスカ アクションのHorizon 2022リサーチ&イノヴェーションプログラムから発足した、京都精華大学を含む世界6カ国10機関の協力団体。普段は使用されずに廃棄される魚の皮を、ファッション界で有効活用できないか、持続可能な原材料の開発と環境循環システムの発展をリサーチしている。

そんな中、スウェーデンの2人のアーティストが魚の皮を使ったファッションアイテムを作り、発表している。

ロッタ・ラーメ(Lotta Rahme)は、2019年から魚の皮のなめし方をスウェーデンのみならず世界を飛び回り教えている、“なめしのアーティスト”だ。
「エスキモーの人々はアザラシの皮で靴底を、サーモンの皮でブーツを作る」と話すロッタ・ラーメ。カナダのエスキモー、日本のアイヌ、そして北欧サーミの女性達と一緒に仕事をし、古くから伝わるなめし技術を習得した。またそこからヒントを得てなめしたフィッシュスキン(魚革)を使い、バックやベルトなどを製作・販売している。

カタリーナ・ヘルソーン(Catarina Hällzon)はジュエリーアーティストで、シルバージュエリーの講師も務めている。釣りが大好きなカタリーナは、自分で食べる分だけの魚を釣り、残った皮を自分でなめしてジュエリーに仕立てている。

生き物の全てを使い切る知恵は昔からあるが、今再び古に立ち返り学ぶことは多い。

(写真トップ)ロッタ・ラーメの魚皮から魚革へのなめし過程。なめし素材には主に、ネコヤナギやモミの木の樹皮、オリーブ油、菜種油、卵白を使用している。


(写真)ロッタ・ラーメ作、牛革とサーモン皮のバッグ。

(写真)ロッタ・ラーメ作、牛革とサーモン皮のバッグ。

(写真)ロッタ・ラーメ作、カマスの皮とトナカイの皮で作ったキャップ。

(写真)ロッタ・ラーメ作、カマスの皮とトナカイの皮で作ったキャップ。

(写真)カタリーナ・ヘルソーン作、カマスの鱗とシルバーのネックレス。自分で釣って食べた魚の皮と鱗を使っている。

(写真)カタリーナ・ヘルソーン作、カマスの鱗とシルバーのネックレス。自分で釣って食べた魚の皮と鱗を使っている。

(写真)カタリーナ・ヘルソーン作、サーモンの皮のブローチ。地元のレストランから余った皮をもらい、自分でなめして作った。

(写真)カタリーナ・ヘルソーン作、サーモンの皮のブローチ。地元のレストランから余った皮をもらい、自分でなめして作った。



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