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JOURNAL / 世界の食トレンド

カクテルを食べる!?ノンアルで甘さもほどよい“大人のグミ”がヒットの予感

Sweden [Skåne]

2025.08.14

カクテルを食べる!?ノンアルで甘さもほどよい“大人のグミ”がヒットの予感

text by Sakiko Jin
左からピノ・ノワール(赤ワイン)、ジン、ウイスキー。筆者のおすすめは、原材料でもあるジュニパーペリーのコショウを思わせる刺激がおいしいジンフレーバー(中央)。

スウェーデン語で「ゴーディス(Godis)」という言葉がある。なんだか語感がごっついが、あるお菓子の総称だ。チョコレートやキャンディなども含まれるが主体はグミ菓子で、様々な形と味があり、子供たちはもちろんのこと老若男女皆に愛されている国民食なのだ。土曜日は「ルーダグスゴーディス(Lördagsgodis)」と呼ばれ、子供たちが唯一、ゴーディスを買ってもいい日になっている。

スーパーのゴーディス売り場
スーパーのゴーディス売り場。スウェーデンではゴーディス専門店だけでなく、スーパーでもコンビニでも基本は計り売り。スウェーデン人に人気なのは、日本では嫌いな人も多いリコリス味のゴーディスだ。

そんなスウェーデン人のゴーディス好きと、これまたスウェーデン人が好きなカクテルを合わせたらどうなるか?と発想したのが、スウェーデン南部・スコーネ地方に住むオーサ・イーヴェルセン(Åsa Ifversen)だ。

最初は自宅のキッチンで試作をスタートしたが、おいしい&成功にはほど遠かったのが現実。そこで地元スコーネにあるヴィーガン菓子店「スキャンディックキャンディ(Scandic Candy)」の職人、ラーシュ・ポールセンに助言を求め、さらには夫であるヘンリックをビジネスパートナーに迎えた。3年にわたる試行錯誤とテイスティングの末、材料の配合をはじめパーフェクトな食感と形状のグミ「スウィーズ・カクテル・スイーツ(Sweeds Cocktail Sweets)」が誕生した。

スウィーズの特筆すべき点は、なんと言ってもフレーバーの元であるアルコール飲料を、地元スコーネにあるワインやビール、ウイスキーの醸造所や蒸留所から仕入れていることだ。4つのフレーバー(白、ロゼのスパークリングワイン、ウイスキー、ジン)からスタートしたが、現在では赤ワイン(ピノ・ノワール)、ビール、ラム、アクアヴィットの全8種をラインナップしている。

スウィーズは見た目も綺麗
スウィーズは見た目も綺麗で、まさにカクテルを食べている感覚だ。ノンアルなのでいつでも気にせず頬張れる。

ワインにはチーズやシャルキュトリー、オリーブを、ビールにはチップスなどがつまみの定石だが、甘さがほどよく抑えられ、ワインなどアルコールそれぞれの風味が楽しめる“大人のゴーディス”は、新しい酒のつまみとして旋風を巻き起こす予感だ。


Sweeds Cocktail Sweets
149スウェーデンクローナ/300g (ノンアル・ヴィーガン)
https://www.sweedscocktailsweets.se

*1スウェーデンクローナ=15.25円(2025年8月時点)

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