ふわっふわの感動食感「自家製スパイシーさつま揚げ」
【DIYレシピ】「バー・クワン」長谷川純子さん
2026.07.02
photographs by Kiyu Kobayashi
連載:DIYレシピ
塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、すり身作りから始める「自家製スパイシーさつま揚げ」を紹介します。
教えてくれた人:東京・西麻布「バー・クワン」長谷川純子さん
東京・西麻布「ライステラス」に勤めタイの宮廷料理を学ぶ一方、タイ出身の同僚たちからタイの食生活や家庭料理を教わった。2000年、バーテンダーの夫、康弘さんと現店オープン。
超低温から揚げ始め、最後の強火でふわっふわに
深夜に本格的なタイ料理を楽しめる「バー・クワン」。
料理担当の長谷川純子さんは、タイ料理店で働いていた頃、同僚のタイ人たちの家で家庭料理を教わった。タイのさつま揚げも、その一つ。
「タイでもさつま揚げを食べるんです。日本のさつま揚げとは違って、カレーペーストやバイマックルー、パクチーを練り込んだスパイシーな味が鮮烈で、よりお酒が進む味です」
ふんわり膨らんだ揚げたてのさつま揚げをほおばると、口いっぱいにバイマックルーの爽やかな香りが広がり、食べたことのないふわっふわの軽い食感に驚く。
ふわふわ食感の秘密は、超低温からゆっくり時間をかけて揚げること。まだぬるい油にすり身を入れて、弱火で徐々に温度を上げていく。最初から熱い油に入れるとすぐに表面が固まってしまい、中身がふわっと膨らまないからだ。8割がた揚がったら、最後は強火で一気に膨らます。
長谷川さんがすり身に使うのは冷凍ナマズ。手に入らない場合は他の白身魚でよいが、「ナマズのクセがおいしさになるので、他の白身魚だとあっさりしすぎかも」とのこと。練ったら最後に生地をボウルに叩きつけて粘りを出すのがポイントだ。
自家製スパイシーさつま揚げのポイント
<材料のポイント>
一晩水切りして身を引き締める
水っぽくなりやすい冷凍ナマズは食品用脱水シートで包み、一晩置いてから使う。ナマズが手に入らない場合は白身魚のフィレで代用可能だが、あっさり淡白な味になる。
<加熱のポイント>
油が温まる前に入れる
すり身を入れても泡が立たないほど低温から揚げ始め、弱火のままじわじわと温度を上げる。一度にたくさん揚げてもよい。連続で揚げる際は油を足すなどして、80~90℃くらいまで温度を下げる。
最後は強火で一気に膨らます
最後の1分間は強火で一気に油を熱し、箸で頻繁にひっくり返しながら膨らませる。ふっくら、ふわふわの食感は、揚げ始めの低温と、最後の高温の温度差で生まれるもの。
「自家製スパイシーさつま揚げ」の材料と作り方
[材料]
冷凍ナマズ(フィレ)・・・380g
レッドカレーペースト・・・50g
全卵・・・1/2個分
バイマックルー・・・5g
インゲン(厚さ2~3㎜の輪切り)・・・50g
香菜(ざく切り)・・・10g
片栗粉・・・小さじ1強
サラダ油・・・適量
<付け合わせ>
キュウリ(半月薄切り)、刻みピーナッツ、スイートチリソース・・・各適量
[作り方]
[1]すり身を作る
脱水シートで包み、冷蔵庫で一晩置いたナマズ、カレーペースト、全卵をフードプロセッサーで撹拌する。
[2]軸をとって極細切りに
バイマックルーは中心の硬い軸を外し、よく切れる包丁で極細く刻む。【POINT】たっぷりのバイマックルーが味の決め手。
[3]具材を混ぜる
ボウルに1、2、インゲン、香菜、片栗粉を入れて手でよく混ぜる。
[4]叩きつけて粘りを出す
すり身をまとめて片手で持ち上げ、ボウルに叩きつけるように落とす。これを10回繰り返す。
[5]平たく成形する
手に水をつけて適量を取り、丸めて円盤状に潰し、中央を凹ませる。
[6]超低温から弱火で揚げる
中華鍋にサラダ油を入れて弱火にかける。油温が60℃程度になったら5を静かに入れる。
[7]時々裏返す
表面が固まってきたら裏返す。時々裏返しながら、3分後100℃を目安に徐々に温度を上げていく。
[8]強火で一気に高温に
7分ほど経って(140℃)、写真のように膨らんできたら火を強め、強火で一気に温度を上げていく。
[9]回しながら膨らませる
絶えず裏返しながら1分揚げる(160℃)。風船のように膨らんだら網をのせたバットにとり、すぐ皿に盛る。
そのままでもおいしいが、スイートチリソースで食べると、辛・甘・酸のトリプルパンチでますますお酒が止まらなくなること間違いなし。
(雑誌『料理通信』2019年11月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
東京・西麻布「バー・クワン」の店舗情報
◎バー・クワン
東京都港区西麻布3-1-18 RD西麻布B1F
☎03-5410-8998
18:00~翌1:00
日曜、祝日休
東京メトロ、都営線六本木駅より徒歩6分
https://qwang.sakura.ne.jp/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
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