ガストロノミーの発想で作る「フレンチ高野豆腐」
フェーズフリーな食材レシピ:高野豆腐
2024.03.28
photographs by Junpei Kato
乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回のアイテムは高野豆腐です。森枝幹さんの手にかかると、ガストロノミー食材としての新たな可能性が見えてきました。
目次
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■常備したい食材:高野豆腐
教えてくれた人:「Chompoo(チョンプー)」森枝 幹さん - ■甘 × 苦のコントラストが生む立体的な味わい
- ■「フレンチ高野豆腐」材料と作り方
- ■東京・渋谷「Chompoo」店舗情報
常備したい食材:高野豆腐
教えてくれた人:「Chompoo(チョンプー)」森枝 幹さん
甘 × 苦のコントラストが生む立体的な味わい
今、ガストロノミーの世界で発酵と乾燥(ディハイドレイト)は、食材の新たな一面を引き出す調理法として欠かせぬものになっている。乾物をガストロノミー食材と捉えると、どんな可能性が広がるのか?高野豆腐を森枝幹さんに委ねてみた。
最初に頭に浮かんだのは、最大の特徴であるスポンジ状の気泡にスープを含ませた「固形だけどスープみたいな料理」だったと言う森枝さん。だが、「水で戻しただけの高野豆腐には大豆のやさしい甘さがあって、そこに異質な味のだしを含ませることに、どこか違和感を覚えてしまって」。
そこで、大豆の甘さを補強する意味合いで甘い卵液に浸してフレンチトーストに仕立て、ベーコンの塩気ならぬ苦味野菜を組み合わせて、甘 vs 苦、しっとり(高野豆腐)vs パリパリ(ケール)のコントラストで味を組み立てた。
「甘くて苦い、グルテンフリーのフレンチトースト。これもありだと思いませんか?」
「フレンチ高野豆腐」材料と作り方
【材料】(4人分)
卵・・・3個
牛乳・・・卵と同量
きび砂糖・・・大さじ2
塩・・・少量
ケール・・・小12枚
芽キャベツ・・・12個
バター・・・60g
サラダ油・・・適量
【作り方】
[1]高野豆腐を戻す
高野豆腐は水で戻して6等分に切る。沸騰湯で2~3分茹でて、水気を絞る。
[2]卵液に浸す
卵、牛乳、きび砂糖、塩をよく混ぜ合わせ、1を30分浸してしみ込ませる。
[3]ケールを素揚げする
ケールはサラダ油で素揚げする。
[4]焼く
フライパンにバターを熱し、2の表面をこんがりと焼く。途中で芽キャベツを加え、味をなじませつつソテーし、塩少々で味を調える。
[5]仕上げ
器に盛り、素揚げしたケールをのせる。
高野豆腐の大豆のやさしい甘味を生かして、フレンチトーストよろしく卵液に浸してバターソテー。ケールや芽キャベツなど、苦味が魅力の野菜を合わせ、甘 vs 苦のコントラストで味を立体的に構築。グルテンフリーな一皿。
東京・渋谷「Chompoo」店舗情報
◎Chompoo(チョンプー)
東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷パルコ4F
☎03-6455-0396
平日11:30~15:00、17:00~22:00LO
土日祝日11:30~22:00LO
不定休(パルコ休館日に準ずる)
各線渋谷駅より徒歩6分
Instagram:@chompoo_shibuya
(雑誌『料理通信』2018年5月号掲載)
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