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RECIPE

【動画で極める! プロのコツ】爽やかなハーブとレモンが香るバターソース「ハーブバターオムレツ」

Jan 19, 2023

photographs by Yuya Kato, Toshio Uematsu (macaroni) / movie produced by You Kuwabara , directed by Ryohei Fukuhara

プロの調理中の動きや食材の状態の変化を通じて、レシピの”味づくりのコツ” が腹落ちして理解できると、料理の再現性、アレンジや工夫の幅はぐっと広がります。そこで『料理通信』新企画、プロのコツ・動画付レシピをスタート。

第1回は、爽やかなハーブとレモンが香るちょっと大人仕様のハーブバターソースのオムレツ。バターの色づき、素材を引き上げるタイミングなど、学芸大学「リ・カーリカ」堤亮輔シェフから教わります

教えてくれたシェフ
東京・学芸大学「リ・カーリカ」堤 亮輔シェフ

東京・学芸大学「リ・カーリカ」をはじめ都内5店舗を展開する「タバッキ」代表。伊・トスカーナで1年半修業後、調理師専門学校を経てフレンチ、ワインバー、和食店などに勤務。2013年独立。ナチュラルワインにぴったり合うイタリア料理が人気。ショップ併設レストラン「リ・カーリカ ランド」では、店で提供するナチュラルワインと自社製品を揃える。


あえてパーツを分けて、味の“ムラッ気”を作る

食欲をそそる爽やかないい香りが満ちてきましたね。セージ、ローズマリー、タイム。即席でハーブの香りを移したバターソースをたっぷりオムレツに纏わせたレシピは、オムレツのバリエーションを考えていた時に思いつきました。

最初に考えたのは 卵 × ハーブ。特に僕は卵とセージの組み合わせが好きでね。すっきりした強い香りのセージと丸みのある味の卵を合わせて、2つをつなげる調味料としてバターを選びました。まずは刻んだセージなどのハーブを卵液に混ぜてバターで焼くことを考えたけれど、ちょっとありきたりでしょ。それに味の要素は、一口で一度に感じさせるのではなく、食べ進めるうちに時間差で見え隠れしたり、食べる場所で味が変わったりする方がいい。グラデーションのある味が僕の好み。いい意味で味の“ムラッ気”がほしかった。 

そこで卵、ハーブ、バター、3つがそれぞれ引き立つようにパーツを別にしました。バターはソース、卵はオムレツ、ハーブはバターに香りを移しつつ、サクっと揚げてそのままツマミとしても食べられるようトッピングに。コリッとした食感を加えるために、マッシュルームのスライスものせました。

特別難しい工程はないけれど、ソースづくりのコツは焦らないこと。冷たいバターとハーブを一緒に弱火で香りを移していくので、時間は10分くらいかかります。じりじりするけど(笑)、葉のフチがほんのりカサっとなるくらいまで菜箸で葉を動かしながら細かく世話をしてあげて。バターはくれぐれも焦がさないこと。香りが台無しになるからね。余熱で熱いうちにレモン果汁と皮を加えてジュッと香りを立てたら、コラトゥーラで調味。ソースに塩は不要です。

ハーブバターソースは根菜やグリル野菜にかけても最高。調理中の香りで場の空気も一気に華やぎます。オペレーション上、店での提供は難しいけれど、だからこそおうちでゆっくり作ってみんなでシェアして楽しんでほしいですね。


「ハーブバターオムレツ」の材料と作り方

[材料(2人分)]

<ソース>
バター(無塩)・・・75g(※発酵バターを使うと軽やかな味になる)
セージ、ローズマリー・タイム・・・合わせて5g
レモン(またはグリーンレモン)・・・1/2個
コラトゥーラ・・・ひと回し

<卵液>
卵・・・3個
塩・・・1つまみ
パルミジャーノ・レッジャーノ・・・15g

オリーブ油・・・適量
マッシュルーム(スライス)・・・1個
パルミジャーノ・レッジャーノ・・・適量

[作り方]
[1]ハーブの下処理をする

セージは葉のやわらかい部分を小さくちぎり、太く硬い茎は除く。タイムは葉をしごき、ローズマリーの葉と茎は小さく小分けにする。
POINT:卵と相性のよいセージは必ず入れる。他のハーブはお好みで。

[2] ハーブとバターを火にかける

鍋にバターとハーブ類を入れて弱火にかける。

[3]バターが溶けた状態

バターが溶け切った状態。ハーブはバターにしっかり浸かる。バターが焦げないように時折鍋をゆすりながらじっくり火を通す。

[4]10分後。泡が小さくなる

約10分後。バターが色づき、パチパチした音が静かになり、泡が細かく量も少なくなってきたら、火を止め、ハーブをキッチンペーパーを敷いたバットにとる。
POINT:サクッと仕上がるように、ハーブは油分をしっかり切ってからバットに広げる。

[5]レモンを搾り、コラトゥーラを加える

鍋にレモンを絞り入れ、皮ごと鍋に加える。コラトゥーラを回し入れる。
POINT:レモンの香りがさらに立つように、皮も加える。「コラトゥーラは雑味のない香りと甘味の国産がおすすめ」とシェフ。

[6]卵を溶く

ボウルに卵とパルミジャーノ・レッジャーノを入れて、卵のコシが切れる程度に溶く。塩で下味をつける。

[7]フライパンに卵液を注ぐ


フライパン(直径15センチ)にオリーブ油(分量外)を引いて中火で熱し、少量の卵液を落として軽くパチパチ弾ける位になったら、卵液を加える。

[8]卵液をかき回しながら火を通す

フライパンをゆすりながら、菜箸で一方向に混ぜる。フライパンを火から遠ざけながら余熱で火が通りすぎないよう状態を確認する。

[9]卵を巻く

6割程度火が通ったら、ゴムベラに持ち替えて、少しずつ手前から奥に卵液を寄せる。フライパンの残りのフチからも中央に焼き面を寄せる。

[10]焼き面を変える

フライパンを一度大きく振って卵をひっくり返し、焼き面を変える。軽く焼いたら、皿に移す。

[11]器に盛り、ソース、トッピングで仕上げる

マッシュルームをのせて、塩(分量外)少量をまぶし、ハーブバターソースを回しかける。ハーブをのせ、パルミジャーノ・レッジャーノをすりおろし、レモンを添える。


<おすすめワイン> ヴィトフスカ/スケルリ

合わせるワインは、伊・フリウリ州の土着品種、ヴィトフスカのワイン「スケルリ」。カルソという強烈な石灰質の土壌のもとで作られ、強めのミネラル感とどこかハーブのような味わい、オレンジワイン特有の渋みと旨味が、ハーブとバターの香りをキリッと引き立てる。


◎リ・カーリカ ランド
東京都目黒区鷹番1-4-9 小山ハイツ1F
☎080-7279-2233
18:00~23:00(日曜、祝日は~22:00)
ショップ 14:00~22:00
火曜休
Instagram: @ ri.carica_land

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