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日本 [静岡] 日本の魅力 発見プロジェクト ~vol.8 伊豆半島(南伊豆・松崎・西伊豆) ~



2000万年前の海底火山の面影が残る、伊豆半島

Journal / JapanMar. 1, 2018

text by Rei Saionji / photographs by Hide Urabe


2000万年前、はるか南方の海底火山群が発端で、プレートの移動により本州と合体した伊豆半島は「海底火山時代」、「衝突の時代」、「陸上火山の時代」と形成された年代が異なると、伊豆半島ジオパーク推進協議会が発行する『ワケあり伊豆半島 Tour Guide Book」の地図に記されている。ゆえに北部、東海岸、中央部に南部とエリア毎に特長が異なり約60もの温泉は、その泉質も多岐に亘る。

訪れた南伊豆から西伊豆は、東海道新幹線「熱海」でJR伊東線・伊豆急行線に乗り換え「伊豆急下田」で下車。下田からは南伊豆を経由して西伊豆まで車で移動し、修善寺へ抜けるというルートだ。主に「海底火山時代」に形成された南伊豆から西伊豆は、火山由来のごつごつとした岩肌の重厚感や、その地形を形成した悠久の時の流れを感じる。自然の雄大さと、歴史を大切にしながら、そこで生活を営む人々の暮らしを興味深く垣間見ることができた。

石廊埼(いろうざき)灯台・石室(いろう)神社・熊野神社
伊豆大島を彼方に眺めながら、波間にきらめく真珠光に息を飲む



石廊崎は航海の難所であったため、長津呂湊明堂(ながつろ みなとあかしどう)が寛永13(1636)年に和式灯台が、明治4(1871)年に洋式灯台である石廊埼灯台が建てられた。「苦労の後には絶景が待っているはず」と息を弾ませながら灯台までの坂道を登る。

海から伊豆半島を眺めることができる「石廊崎岬めぐり遊覧船」がある。海から見る伊豆半島の荒々しい岩肌や、禅宗の寺院の枯山水や盆栽を思わせる小島や岩から生える松などを楽しむのもお薦め。


伊豆半島の突端からは雄大な太平洋と、空気が澄んだ日には伊豆七島を望む。文字通り息を呑むほど素晴らしい景色だ。ふと、この地が2000万年前には南方の海底に沈む火山群だったことを思い出し、遠く思いを馳せた。


その先の200年以上前から整備されているという急な階段を下ると、岩にめり込んでいるように見える1300年以上前の創建と伝わる石室神社にたどり着く。石室神社に祀られている御神宝は鮑の貝殻。神社の建替えを行った宮大工が、誤って足を滑らせ海へ転落するも、無事に浮かび上がった。その際、手にしていたノミの先に突き刺さった場所が十一面観音の模様になっていた大きな鮑が由縁の一つと言われている。その他にも、役小角(えんのおづぬ)に関するものや、神社の柱の一つが船の帆柱だという言い伝えなど石室神社にまつわる話は諸説ある。




その先、岸壁ギリギリの細道を進むと、縁結びの絵馬がたくさん架けられた小さな熊野神社がある。人力しかない時代に、この場所に社を建てた人々の思いが伝わる。



石廊崎岬めぐり(石廊崎港発着)
出航時間:9:30から15:30(30分おき)
周遊時間:約25分
伊豆急下田駅から石廊埼灯台行きの東海バスにて約40分。石廊崎港口バス停下車
問い合わせ:伊豆クルーズ ☎ 0558-22-1151
http://izu-kamori.jp/izu-cruise/route/irouzaki.html

石廊埼灯台
☎ 0558-23-0118(下田海上保安部)
※灯台内部は11月に1日のみ一般公開

石室神社
静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎125 ☎ 0558-62-0141(南伊豆町観光協会)


古民家cafeごはん 天ぽうや
欽んで(つつしんで)天ぷらを崇(とうと)べば、永く天命を保んず



「天ぽうや」という屋号は、「天ぷら」+江戸時代の「天保年間」に由来する。天保年間とは、今からおよそ180年前、文化の中心が京都から江戸に移り、「粋」を旨とする江戸町人文化が栄えた文化文政時代の後、天保の大飢饉から大塩平八郎の乱が起こった時代。この建物は南伊豆で伊豆石の商売で成功を収めた商人の家だった。下田に移築されていたが、区画整理のため取り壊しの憂き目に合い、再び南伊豆の地へ戻したのが「天ぽうや」主人 鈴木海さんの父だった。



「古民家cafeごはん天ぽうや」店主 鈴木海さん。近所の食材を使う「地産地消」が声高に叫ばれている中、「生産者を知っているから安心で、輸送コストなく手に入るから使う。」と淡々と語る。



主に地の食材を天ぷらで提供する「天ぽうや」は、地元の方々も気軽に利用する。むかご、あしたば、よもぎ、菜花、ししとう、インゲン豆、金時ニンジン、小たまねぎ、かぼちゃなど、その日採れた野菜によってメニューが変わるのが魅力的だ。




厚く切って揚げた金時ニンジンは、衣の中でじっくり蒸され甘味が引き出される。伊豆半島は食の宝庫であると実感させる店だ。ゆったりと時間が流れる落ち着いた雰囲気の古民家で、地の食材の天ぷらを食す贅沢を味わって欲しい。





現代テイストを取り込んだ和モダンのインテリアは、建築当時の木がそのまま使われた天井の梁や柱によって重厚さを増している。天保時代の木は切られてから約180年経った今でも呼吸しており、樹脂を流している。


古民家cafeごはん 天ぽうや
静岡県賀茂郡南伊豆町一色185-2
☎ 0558-62-5310
11:00~15:00(夜は完全予約制) 水休
伊豆急下田駅から車で約30分
石廊崎から車で約15分



カノー伝説(※)探検ツアー
気の遠くなるような時間が流れ、ここもやがて遺跡となる


江戸城の石垣でも使われた硬い「伊豆石」は主に東伊豆地域が産地。一方、南伊豆の「伊豆石」は、伊豆半島がまだ海底火山だった時代の火山灰や軽石から出来た、加工のしやすい硬さで、耐火性にも優れている。特徴的な縞模様は、海底に火山灰が降り積もった時にできたとは感慨深い。その石切り場を探検できるのが、カノー伝説探検ツアーだ。




ヴィラ弓ヶ浜のオーナー 竹澤美恵子さんがガイドを務める探検ツアーは、成り立ちが興味深い。産業廃棄物の不法投棄から自分たちの地域の大切な山を守るために、私財をつぎ込み、山を買い上げたのが竹澤さんの父。産業廃棄物を撤去する中で偶然、石切り場跡を発見。その後何年もかけて自ら手作業で、山歩きが可能になるように整備。地元愛から生まれた、誰もが自然の中を「探検」できる探検山なのだ。





何処かへと導いているような、木が生い茂る小道を進むと、かつて人の手が入った様子が伺える岩にぶつかる。岩壁は湿り気を帯びた苔に覆われ、上の方から蔦が垂れ下がっているが、等間隔で横にノミで削った跡から、かつての石切り場であったことがわかる。



さらに岩壁伝いに歩みを進めると、大きな岩壁はやがて石室へと続く。10メートル以上の高さはあろうかと思われる天井の高い岩の部屋のような空間に足を踏み入れると、まるで王墓に忍び込んだ盗賊のような気持ちになる。かつて伊豆を支えた石工が石を削るノミの音が、今にも聞こえてきそうな神秘的な石切り場だ。


※カノー伝説の「カノー」とは加納というこの地区の名。

カノー伝説ツアー
静岡県南伊豆町加納柿の木硲1187-1
☎ 090-6589-1906(要事前予約)
http://www.kano-densetsu.com/







※本プロジェクトは、経済産業省関東経済産業局が実施する「平成29年度地域とホテルコンシェルジュが連携した、新たなインバウンド富裕層獲得のための支援事業」と連携して、グランド ハイアット 東京 コンシェルジュ/明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部教授 阿部佳氏のアドバイスを得て実施しています。









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