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JOURNAL / 世界の食トレンド

シドニー発 レストランとコラボした五感で楽しむ高級キャンドル

Australia [Sydney]

2025.06.12

シドニー発 レストランとコラボした五感で楽しむ高級キャンドル

text by Akiko Ganivet / photographs by Hunter Candles
シドニーの多様な移民文化に刺激を受けたレストラン「ババズ・プレイス」とのコラボ・キャンドル(59豪州ドル)。

スタイリッシュな友人やお世話になった相手へ感謝の気持ちを伝えるプレゼントとして、高級キャンドルがオージーの間で人気だ。

キャンドル好きでインテリアデザイナーの母親から影響を受けて育ったヴィアニーさんは、このトレンドに注目し、「ハンター・キャンドルズ(Hunter Candles)」を2019年に創業。シドニー市内近くニュータウンのフラッグシップ店で、大豆由来のソイワックスを使った上質な流し込みキャンドルを作り続け、5年間でシドニーだけでも113店のセレクトショップで購入できるブランドに成長させた。

ヴィアニーさん
以前は歌手をしていたというヴィアニーさんは、ユニークな感性を生かしたキャンドルで有名レストランや高級バターブランドとのコラボ作品を数々作ってきた。マッシュルームの優しい甘さやバジルの爽快なフレッシュ感を取り入れたキャンドルなど、五感を使って楽しめる食材にインスパイアされるそうだ。

他のキャンドルブランドと一味違うのが、レストランとのコラボ商品。ブルガリア出身のシェフの店「ババズ・プレイス(BABA’S PLACE)」とコラボしたキャンドルは、樹木から採取される固形の樹脂「フランキンセンス(乳香)」とオークウッドのスパイシーでウッディな香りが特徴だ。フランキンセンスは、古くから宗教儀式に使われている香りで、癒し効果抜群。シェフの子供時代を思い起こさせるキャンドルは、同レストランのサイトでも購入できる。

“エシカル&サステナブル”をキーワードに、魚の全ての部位を無駄なく使うクリエイティブな料理で名を馳せる料理人ジョッシュ・ニランドと創作したのは、「フィッシュ・ファット」キャンドル。マレーコッドというマレー川で捕れる淡水魚の脂肪をソイワックスと共に溶かし、魚臭さのない、ほんのり甘くてしょっぱい川の香りをイメージした。

「フィッシュ・ファット」キャンドル
「フィッシュ・ファット」キャンドル(79豪州ドル)。マレーコッドという淡水魚の脂肪分とソイワックスの配合を9カ月かけて調整し、完成させた思い入れの強い作品。残念ながら売り切れで香りをかぐことはできないが、魚臭さはゼロだという。

「キャンドルメーカーの仕事は、料理人と重なる部分がある」と語るヴィアニーさん。ムードの演出によって、五感に喜びをもたらすのに必要なクリエイティビティや思考が似ているそうだ。

ニュータウンのフラッグシップ店
ニュータウンのフラッグシップ店ではキャンドルの製造現場も覗ける。2時間のワークショップで作り方を学び、演出したい雰囲気によってアロマを選ぶ体験レッスンの受講も可能。使用されている植物性のソイワックスは煤が出にくく、自然志向の人におすすめ。
サリー・ヒルズにある支店
市内近くのお洒落エリア、サリー・ヒルズにある支店のシグネチャーセント(香り)は、その名も「オーストラリア」(49豪州ドル)。ユーカリやレモン・マートルなどのネイティブ植物の心地よい香りが広がり、リラックスした時間を演出。お土産や母の日のプレゼントにも人気。

Hunter Candles
133 King Street, Newtown, NSW 2042
10:00~18:00(木曜〜20:00、土曜、日曜〜16:00)
https://www.huntercandles.com.au/

*1豪州ドル=93円(2025年6月時点)

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