砂糖税でソフトドリンクの甘さが控えめになる?ドイツ政府の医療費対策
Germany [Berlin]
2026.05.18
text & photographs by Hideko Kawachi
ドイツで大人気のエナジードリンク。小売店では専用スペースも。毎年好調に売り上げを伸ばしているが、砂糖やカフェインの含有量が非常に多いため、16歳以下には販売を禁止すべきではという意見もある。
赤字が続くドイツの公的医療保険。その累積赤字は近々100億ユーロに迫るとの予測もあり、政府は様々な対策を検討している。その一つとして、食品業界にも影響を及ぼす可能性がある「砂糖税」の導入が注目を集めている。
世界保健機関(WHO)によれば、すでに世界116カ国で導入している砂糖税。砂糖全般ではなく、主に砂糖や甘味料入りのソフトドリンクに対して課される税金で、通称“ソーダ税”(ドイツ語ではレモネード税)とも言われる。ヨーロッパではイギリスとアイルランド、ポーランドなどが先駆者だ。
2018年から導入しているイギリスでは、砂糖の含有量が多ければ多いほど高い税金が課され、その影響で砂糖の消費量が大幅に減少したとされている。一方で、砂糖入りのソフトドリンクに一律税金をかけたデンマークでは、価格が上がっても人々の消費行動や摂取量に変化が見られなかったと、数年後に廃止された。
甘いソフトドリンクの消費量がヨーロッパでトップクラスのドイツでは、長らく砂糖税の導入が協議されてきた。1人当たりのソフトドリンク消費量は年間125リットルで、子どもの肥満への影響も指摘されている。課税によって価格が上がれば消費量が減り、メーカーも砂糖の含有量を減らした製品を開発するはず・・・というのが、砂糖税支持派の意見だ。配合を変えるのが難しい食品に比べ、ソフトドリンクならレシピから糖分を減らしやすいという意見もあり、新製品開発に期待がかかる。
折しも2026年4月、ベルリンのスターシェフ、ティム・ラウエが、ドイツで人気のミックス炭酸飲料メーカー「トーマス・ヘンリー」と共に、オリジナルのレモネードを開発。甘さ控えめで海塩とハラペーニョを効かせ、ほんのり柚子を香らせた大人の味だ。砂糖税が導入されることで、甘さ控えめのドリンクのレシピ開発が盛んになるとしたら、歓迎すべきなのかもしれない?
◎Citrus Lemonade – Thomas Henry × Tim Raue Edition
https://www.thomas-henry.de/lemonades/