選択肢を絞り、素材の質で勝負!シンプルなスマッシュバーガーが主流に
Australia [Sydney]
2026.06.18
text & photographs by Akiko Ganivet
つなぎは一切加えず、ブリスケットとチャック2種の挽き肉で作ったパティをこだわりのバンズではさんだシングル・スマッシュ(8.9豪州ドル)。溶けたアメリカンチーズとピクルスが牛肉の濃厚な味を引き立てる。
物価高や原油高などの影響もあり、オーストラリアの食シーンではここ5年、ファインダイニングからカジュアルダイニングへの移行が加速している。そんな中、若者だけでなく幅広い年齢層から支持を集めているのが、食材にこだわったグルメハンバーガーだ。中でも、ボール状に丸めたパティを熱々の鉄板に置き、専用のミートプレスで押しつけて香ばしく焼く「スマッシュバーガー」が主流となりつつある。
これまでのグルメバーガーは具沢山で背の高いものが多かったが、スマッシュバーガーはよりシンプルな構成が特徴。豪州では、ブリスケット(肩バラ)とチャック(肩ロース)の2種を使い、縁がカリカリになるまで薄く焼いて2枚重ねにしたスタイルが一般的だ。パティの肉の種類や焼き方、バンズ、トッピング、ソースに至るまで、店ごとにこだわりがあり、個性も際立つ。
シドニーの老舗ベーカリー「バーク・ストリート・ベーカリー(Bourk Street Bakery)」の創業者が、2025年、シドニー東部にオープンした「ハイハイ・バーガー(HiHi burger)」では、ふんわりとしたポテト生地のバンズに、縁まで香ばしく焼いたパティを2枚挟んだ「ダブル・スマッシュ」(13.90豪州ドル)が人気だ。アメリカンチーズとピクルスが、精肉店「ビックス・ミーツ(VIC’S MEAT)」から仕入れたオーストラリア産牛の高級熟成肉の旨味を一層引き立てている。
ハイハイ・バーガーのメニューは、シングル、ダブル、ベジー(ニンジン、キヌア、ひよこ豆)、マンスリースペシャルの4種類のみと極めてシンプル。過度な選択肢をなくしたストレートな“バイブス”が支持を得ているのかもしれない。先行きに不透明さが増す世界情勢の中、素材の質で勝負するスマッシュバーガーは、いまのオーストラリアの食の価値観を象徴する存在と言えそうだ。
◎HiHi burger
shop 5/424 Oxford St, Bondi Junction NSW 2022, Australia
12:00~21:00(金曜~日曜11:00~)
月曜休
http://www.hihiburger.com/
*1豪州ドル=114.6円(2026年6月時点)