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FEATURE / MOVEMENT

第12 回クインビーガーデンメープルスイーツコンテスト 開催報告

プロが引き出すメープルの魅力

2018.01.06

FEATURE / MOVEMENT

カナダ・ケベック州のカエデ樹液から作られる100%天然の甘味料、メープルシロップとシュガー。その素材としての可能性をプロの菓子職人とブーランジェが引き出す「メープルスイーツコンテスト」(クインビーガーデン主催)の結果発表・表彰式が2017 年11月8 日、東京・港区のカナダ大使館で行われた。
今年はカナダ建国150 周年を記念して、洋菓子部門、パン部門に加え、和菓子部門を設立。応募のあった178作品を、柳正司氏、石井英美氏、児玉圭介氏、栄徳剛氏、藪光生氏、梶山浩司氏が審査した。
柳正司氏は洋菓子部門最優秀賞の安田げんきさんの作品について「構成がよく計算されている。全体の20%がメープルという濃厚な配合ながら、重すぎず食べやすい仕上がり。作業工程も効率が良い」と絶賛。児玉圭介氏は「素材の組み合わせ方でメープルを引き立てるのがうまく、自分が勉強させられる作品が多かった」とし、「パンは生地を『焼く』もの。焼成で香りの飛びやすいメープルをどう生かしていくかがポイントになる」と語った。梶山浩司氏は和菓子部門設立について「日本の伝統技術である和菓子と、カナダの大自然がもたらすメープルの香りの調和を考えるきっかけになったのでは」と述べた。より幅広い分野で、新たなメープルの魅力と可能性の発見に繋がるコンテストとなった。

メープルシロップ・メープルシュガーの特長をいかに引き出すかも重要な審査基準。




【パン部門】最優秀賞
大地の恵み~カナダからの贈り物~

メープルシロップ漬けのナッツを練り込んだライ麦パン。メープルはライ麦生地に入れると香りが飛びやすい。そこで、ナッツを漬け込む際、メープルシロップにハチミツとバニラを加え、優しい甘さと香りを足すことでメープルの風味を引き立たせた。

ドンク 日本橋ジョアン店
上木雅司さん

「バニラやハチミツを使い、とても贅沢な配合のパンになりました。メープルはミネラルが豊富で健康にも良いので、日常的に食べられる、ヘルシーなパン作りに活かして使っていきたいです。」

最終審査で焼き上がりを確認する上木さん。火加減に細心の注意を払う。


【洋菓子部門】最優秀賞
メープルの誘惑

すべてのパーツにメープルを使用したバタークリームケーキ。メープルシロップを27%配合したバタークリームは、滑らかで軽い仕上がり。ケークにはシュガーを使い、アクセントにクルミを入れた。シンプルな構成で完成度が高く、ストレートにメープルの風味が感じられる点が評価された。

横浜グランドインターコンチネンタルホテル
安田げんきさん

「バタークリームを軽く仕上げることに注力しました。メープルが好きな気持ちが伝わったのだと思います。実技審査はトラブル続きでしたが、楽しくやりきることができました。」

最終審査で型に生地を流し込む安田さん。表情も真剣そのもの。


【和菓子部門】最優秀賞
森の贈り物

重ねた羊羹と浮島両方を白餡で作ることで、それぞれに入れたメープルシロップの香りを引き立てた。さらに飾りとして、シュガー使用のメープル寒天を絡めたナッツとドライフルーツをのせ、ケベックの森の豊かな実りを表現。食感にもコントラストをつけた。

和菓子処 ならは
青木幸恵さん

「普段和菓子にメープルは使いませんが、和菓子の他の原料と同じ植物性の素材なので、相性が良かったです。浮島とメープルの組み合わせで、幅広い年齢層や外国の方にも喜んでもらえるものになったと思います。」

最終審査で作品をカットする青木さん。スピーディーに手際良く切り分ける。




お問合せ
◎ 株式会社クインビーガーデン東京支社

☎ 03-5730-3833(1月19日まで) ╱03-6228-4183(1月22日より)

◆受賞作品のレシピはこちらへ
http://www.qbg.co.jp/contest/copy_contest12.html



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