テタンジェと祝う、食の歓び
「きめ細かなアテンドで、より深く味わう時間へ導く」
東京・外苑前「オルグイユ」加瀬史也シェフ
2022.04.28
【PROMOTION】
text by Noriko Horikoshi / photographs by Masahiro Goda
「人生に会食は欠かせない」
コロナ禍で人との触れ合いを制限されて私たちが気づいたのは、「外食の価値」ではないでしょうか?
料理やサービスや空間のクリエイティビティに触れる「高揚感」
ホスピタリティに包まれる「癒し」
共にテーブルを囲む「喜び」や「親密さ」
シェフや生産者の生き方への「共感」など・・・。
外食はお腹を満たすだけでなく、様々な刺激や心の栄養を与えてくれます。
長年、国際料理コンクールをサポートし、若手料理人の成長を後押ししてきた「テタンジェ」のプレステージ・シャンパーニュ「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」と共に、人生に欠かせない大切な時間を生むプロたちをフィーチャーします。
シャンパーニュに特化した店づくり
シェフのお任せコース1本と、一皿ごとの料理にきめ細かく、時に大胆に寄り添うシャンパーニュペアリング。わずかな例外としてシャンパーニュ地方で造られる非発泡性ワインを置くほかは、他所の産地のワインは一切なし。そんな振り切った提案が、シャンパーニュ好きを引き寄せてやまないミシュラン一ツ星フレンチレストラン「オルグイユ」。
オーナーシェフの加瀬史也さんは、シャンパーニュ地方・ランスのシャトー「レ・クレイエール」での修業時代に、現地で味わうシャンパーニュのおいしさに開眼。2016年に自身のレストランを開業するにあたり、“シャンパーニュと合わせるガストロノミー”を志向するきっかけにもなりました。
「衝撃だったのは、日本で飲んでいたときには気づかなかった味わいの幅広さ。同じ産地なのに、こんなにも違いがあるのか!と。同じ驚きを、ゲストの方に感じていただきたいので、ヴィンテージやセパージュ(ブドウ品種)はもちろん、ドサージュ(補糖)の加減、ブレンドの有無も意識しながら、抑揚のあるペアリングを心がけています」
毎日の“気づき”が、一期一会のテーブルをつくる
料理が先か、シャンパーニュが先か。
どちらでもあり、どちらでもないのが「オルグイユ」でのペアリングです。
「その日のシャンパーニュの状態によって、料理の仕上げを調整します。思ったより酸が立っているなと感じたら、ビネガーを柑橘系やマンゴーに変える。あるいは、ビネガーを使わずにオリーブオイルだけに“引き算”する。ソースに入れる予定だったコニャックやアルマニャックを、シャンパーニュの熟成感に合わせてウイスキーに変えることも。逆に食材に合わせ、香りも味も濃い旬の野菜にシャンパーニュの個性を重ねたり、対抗する香りをぶつけるような合わせ方もします」
ピントを外さないために、重要なのは“気づき”なのだと加瀬シェフは言います。たとえば、食材をつぶさに観察すること。
「タマネギ1個、鯛1尾とっても、今日と昨日では個体が違いますから」
旬や仕入れのタイミングによって、刻々と移ろう香り、味、食感の変化を見逃さない。シャンパーニュであれば、開栓済みのものは日々すべてを試飲し、状態を確かめるのは「当然のこと」と話します。
「『昨日と同じ』『去年と同じ』を良しとしない。それは“仕事”ではなく、“作業”になってしまうから。料理もワインもアップデートと進化を繰り返し、変化していかなければクオリティは向上しないと考えます」
状態を見てアジャストする対象は、食材ばかりにあらず。いったんコースが始まった後も、ゲストの様子を見ながら、相手に添った分量、調理法、ソースの仕上げを調整するのがシェフのスタイルです。
食べる量、スピード、一口目のリアクション、最初に食べるもの、除けて残しているもの。ゲストが発する情報は星の数ほど。シェフズテーブルから全方向を見渡せる店の構造は、そんなライブ感を伴っての“気づき”を、シェフ自身が楽しんでいることの証明にほかならないでしょう。
「ペアリングに正解なし。だから強制はしたくないですし、産地やメゾンについて、くどくどと説明もしません。そういう情報は、ネットで調べていただけますから(笑)」と加瀬シェフ。
「ただし、『ここを感じて召し上がってください』というポイントは、必ずお伝えするようにしています。『ハーブの香りがするシャンパーニュです』と言えば、何のハーブだろうと香りを探してくださるし、そういう興味がワインを味わう楽しみの本質にあると思うので。少なくとも自分がお客の立場だったら、そんなアテンドをしてもらえるレストランに通いたいと思いますね」
1本のボトルを時間軸で味わう醍醐味
「シャンパーニュというと、泡立ちと爽やかな飲み口をイメージする人が多いかもしれませんが、基本的には、むしろ重厚感のある飲み物だと思っています」と加瀬シェフ。その魅力を存分に引き出すための「グラス、そして温度が重要」と強調します。
とりわけ、ブラン・ド・ブラン特有の酸とドサージュの甘味を併せもつ「コント・ド・シャンパーニュ」のようなタイプでは、グラスと温度の細やかなアテンドにより、香りと味わいのドラスティックな変化を楽しめるようになる、と。
今回は、2011年ヴィンテージと合わせた2皿の料理を用意いただくことに。
「コント・ド・シャンパーニュとしては若いので、もっと硬いかと想像していましたが、今のタイミングで十分においしい。値段で遥かに上をいくヴィンテージシャンパーニュのような気難しさもないし、クオリティでは全然負けていない。改めて惚れ直しました」と、にっこり。
一皿目の「グリーンアスパラガス、グリーンピース、ボタンえび、ターメリックとサワークリーム」は、2011年ヴィンテージの若々しさに着目し、そのフレッシュな魅力を引き出すべく設計された前菜。甘味、風味、野趣に富む北イタリア産のグリーンアスパラガスを、むいた皮の香りを煮出したエキスと共に真空パックに詰め、湯煎で加熱。グリーンピースは少量の湯で蒸し煮にして薄皮をむき、これもまた莢からとっただしに濃度をつけてタルタルに。茹でると逃げてしまう旬の野菜の味や香りを逃さず生かし、塩のみでシンプルに仕上げています。
「熟していないブドウの青味、渋味を感じるので、料理も青いニュアンスに。常温でお出しする前菜に合わせて、シャンパーニュも温度を少し下げ、しっかりめの泡立ちを楽しんでいただくことをイメージしました」
二皿目は、同じ2011年のコント・ド・シャンパーニュでも開栓から少し時間が経って温度が上がってきた状態を想定し、合わせる料理も温かいグラタンに。メイン素材に赤貝を選んだのは、若めのシャンパーニュならではの、輪郭が立ったミネラル感と呼応させるため。赤貝のヒモでとっただしで伸ばしたベシャメルソースをカブに詰め、こんがりと焼いたグラタンの上に、赤貝のソテー、ウドやうるいなど生の山菜を刻んで盛り付けます。
「熟成よりも若さのキャラクターが強い2011年ヴィンテージでも、少し温度が上がるとコント・ド・シャンパーニュの特徴ともいえるブリオッシュ感、バターのニュアンスが開いてきます。温かい料理と一緒に味わうと、その持ち味がより強調されて、ベシャメルのミルキーなまろやかさやグラタンの焦げ感と混じり合う。舌の上につながりが生まれるんです」
硬質な若さと、少しこなれ始めた熟成感と。相反する2つの要素を引き出し、コースの流れで楽しませるペアリングに、シャンパーニュを知り尽くした加瀬シェフの采配が光ります。
「ボトル1本で通す場合でも、時間軸で味の印象を変えていくことができる。ヴィンテージシャンパーニュならではの包容力でもありますね」
◎オルグイユ
東京都港区南青山4-3-23 オリエンタル南青山201
☎03-6804-5942
http://orgueil.net/
「テタンジェ」ブランドサイト
https://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/