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JOURNAL / 世界の食トレンド

America [New York]心臓専門医とシェフが作り上げたヘルシーで独創的なアイスクリーム

2023.03.16

心臓専門医とシェフが作り上げたヘルシーで独創的なアイスクリーム

text by Akiko Katayama / photographs by Melissa Hom

アイスクリームは幸せの源。同時にちょっと罪悪感が伴いがち――。そんな向きにぴったりなのが「トゥー・ラビッツ・アイスクリーム(Two Rabbits Ice Cream)」。2023年2月に生まれた、健康志向の高いブランドだ。

開発したのはシンプソン・ウォング氏。マレーシア育ちの中国人で、自然食材の風味あふれる、母の手作り料理を食べて育ったという。

クアラルンプールの金融業界で働いた後、国連の仕事に就きニューヨークへ。目まぐるしい生活の中で食への強い思いは消えず、独学で調理を学んで、ついに1996年、マンハッタンのウェストビレッジに自店をオープン。居心地良い空間で東南アジア料理を提供して根強いファンを集め、その後複数の人気店の経営を経て、今回のアイスクリームの開発に至った。

ではなぜアイスクリームなのか? なぜ健康性に着目したのか?
かつてシェフとして多忙な生活を送る中で、心臓発作を経験し、大好きな甘いものを断念せざるを得ない状況になったのだ。しかし必要は発明の母である。身体に優しいアイスクリーム作りの夢が募り、心臓専門医である夫のアドバイスを受けながら、「トゥー・ラビッツ」を作り上げた。

精製糖の代わりにジャムや粗糖を使い、カロリーは抑えめ。不飽和脂肪酸の比率が高く、オメガ3脂肪酸とコラーゲンが豊富で、素材ごとの滋養効果も含んでいる。同時に「健康的でもおいしくなければ意味がない」という理念を貫きながらレシピを開発。現在6種のフレーバーを揃える。

例えば「ハノイ・ジョー」はベトナム風コーヒーと、東南アジア原産の甘い香りを持つ植物パンダン風味のビスコッティがテーマ。その他ターメリック、タイ風ティー、コブミカン風味の「タイ・ツイスト」、ココナッツ、パームシュガー、カレーの木の葉を使った「ボボ・チャチャ」など、独創的で味わい深い素材を生かした品揃えだ。シェフの作った味わいだけに、各フレーバーのバランスと重なる余韻は、まるでレストランで料理やデザートを食べているかのよう。現在、購入方法はオンラインで注文後、市内のポップアップの場でピックアップという形だが、ウォング氏は小売店およびデリバリー販売を準備中だ。

(写真トップ)東南アジアの素材を駆使したカラフルなアイスクリーム。各10.95ドル(473ml)。ウォング氏は現在さらなる多彩なフレーバーを開発中。

(写真)ベトナム風コーヒーとパンダン風味の「ハノイ・ジョー」。「パンダンは身体の免疫性を高め、血糖値を抑え、穏やかな睡眠をサポートしてくれます」とウォング氏。

(写真)ベトナム風コーヒーとパンダン風味の「ハノイ・ジョー」。「パンダンは身体の免疫性を高め、血糖値を抑え、穏やかな睡眠をサポートしてくれます」とウォング氏。



◎Two Rabbits Ice Cream
https://www.tworabbitsicecream.com/

*1ドル=136円(2023年2月時点)

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