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PEOPLE / 料理人・パン職人・菓子職人

1980年以降生まれ 注目の若手シェフ

台湾・台北「ロウRAW」アラン・ホワン Alain Huang

2018.07.12

『料理通信』2018年7月号取材時点


近年、急速にボーダレス化する食の世界。国を超えて働く先を選ぶことはもちろん、ジャンル、食材、また店間の垣根を越えて、互いの哲学や素材へのアプローチに刺激を受ける1980年代以降生まれのシェフたちが増えています。資源の枯渇や高齢化社会、深刻な人材不足など、食を取り巻く課題が溢れる中、アイデアとテクニックを武器に生き抜く、新世代の料理人たちの発想はどのように生まれるのでしょうか。これからの食の世界のキーパーソンに、未来を切り拓く仕事術を一問一答で伺いました。



二十四節気に即して食材に向かう

Q1 : 食べ手の心を動かすアイデアとテクニックを、どう身につけてきたか?
A1 : アンドレをはじめ同僚や友人たちから多くの知識、経験、考えや彼らの人生を学び、新しい料理を作る時にそれらを最大限に活かします。

Q2 : 世界で働く際に、必要な資質。日本人(自分)の強みはどこにある?
A2 : 「language(言語)」と「technique ( 技)」は礎。自国以外で働く場合、言語はコミュニケーションや新しいことを学ぶツールとして必要。そして厨房での世界共通語である調理技術は、時間管理の面からも的確さが求められます。

Q3 : 今、世界とどう繋がっている? 気になる世界の料理トレンドや料理人
A3 : 自国の食文化の新解釈と発信こそ私たちのミッション。

Q4 : 尊敬する人とその理由(食の世界に限らず)
A4 : アンドレ・チャンをはじめ一緒に働いた全てのシェフ。農家など関わる全ての人。

Q5 : 個性を打ち出すために店づくりで工夫したポイント
A5 : キッチン& サービススタッフ総勢35 名の台湾人が「二十四節気」に則して地元食材と向き合い、土地や自然と共生しサスティナブルな環境を整えています。美しいアルチザンの精神は、地元、南方松の木塊で作るオブジェなど店内の設えにも。

Q6 : スペシャリテについて。料理でもっとも大切にしていることは?
A6 : 「connection(つながり)」と「interraction(相互作用)」の2 つを軸に料理を完成させます。このスペシャリテは古くから伝わる客家料理をお客に連想させます。

Q7 : 料理人として、これからどう生きていきたいか?
A7 : 母国台湾の文化や食材について学び理解を重ね、それらの知識を皆と分かち合い、さらに高いレベルへと邁進したい。次世代が母国の優れた食環境で学べ、彼らの自信に繋がるよう、グローバルスタンダードの上質なサービスを世界に示していきたいと思います。

text by Rie Suzuki / photographs by RAW





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