HOME 〉

RECIPE

プラントベースの始め方06

根菜とピーナッツバターで作る、西アフリカの定番シチュー「マフェ」

「ロス・バルバドス」上川大助さん、真弓さん

Jan 27, 2022

photographs by Hide Urabe

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

教えてくれた人
東京・渋谷「ロス・バルバドス」上川大助さん、真弓さん

奥渋谷でアフリカやアラブ、カリブ料理を得意とする専門料理店。料理を担当する上川大助さん(左)。主にお菓子を担当する真弓さん(右)。


肉好きも虜にする、ヴィーガンの聖地のレシピ

常連の若い男性客がいる。「いつも昼にダル・コルシュ(豆のカレー)を頼むから、てっきりヴィーガンかと思ってたら、こないだ隣の店でカツ丼食ってた。なんだアイツ、違ったのかってね(笑)」と上川大助シェフ。肉食も惚れるボリュームと味。それがヴィーガンの聖地、渋谷「ロス・バルバドス」のアフリカ料理だ。

ヴィーガン対応を始めたのは開店後1年経つ頃、ベジのサイトに載せたことがきっかけ。「ヴィーガン対応してますか?」と問い合わせが増えた。なんだ、そんな需要があんのか。じゃあと腕をまくった。

始めてみると工夫にハマった。バターのコクは数種類の油で補い、牛乳は豆乳に、チーズは茹でた水切り豆腐と油を混ぜた自家製クリームにと代用に考えを巡らせ、味が物足りなくならないように塩、ハーブ、ドライトマトなど調味料の質も上げた。動物性のコクを補うため、豆類は、水戻しせず使えるレンズ豆など8種以上常備し、前菜からメインまで展開。気付けばヴィーガンメニューは7割に増えた。

マフェは、甘い根菜類を多用する西アフリカのシチューだ。まったりしたピーナッツがトマトの酸と調和する。野菜はひとつずつ炒め時間を変えて、均等に火を入れ、野菜の素材感を残す。ノンベジ(非菜食主義者)対応の場合は、カボチャを入れた後、グリルした肉を入れてもOKだ。


食の嗜好に寛容たれ。愛がレシピを育てる

通う客は様々。「一番多いのはヴィーガン人口が多いイギリス人、宗教を理由に肉を避ける人が多いインド人。なぜか音楽に関わる人も多いね。あとは長距離系のアスリート。試合1カ月前からヴィーガンにすれば、体がへたりづらいんだと」。メニューには分かりやすく完全菜食、卵使用、肉、魚使用をマークで表記。万が一の混入がないよう、注文前には必ず食の制限を伝えてもらう。

日本人はヴィーガンへの理解が浅い。個人の食の選択に対して、是非を語りすぎるからだ、とシェフは考える。
「肉食も菜食も、個人が選ぶ食が違うのは当たり前」と食の制限をカジュアルに受け止める。
〝ロスバド〞に漂うのは、寛容な愛。どんな人も寛げる。感度のいい人々はそれを敏感にキャッチし、日夜集うのである。

<植物性食材だけでおいしくなるコツ>


1 ニンジン、サツマイモ、カボチャなど甘味の出る根菜を中心に使う
2 ピーナッツバターでコクと甘味を加える

[材 料(5皿分)]


タマネギ(みじん切り)・・・中1個
ホールトマト・・・1/2 缶
ハバネロ(みじん切り)・・・適宜
ピーナッツバター(乳化剤が入っていないもの)・・・80~100g
塩・・・8g
ベジタブルブイヨン(アリサン「ベジタブル・スープブイヨン」)・・・1個
ニンニク(みじん切り)・・・1片
ピーナッツ油・・・適量

〈具〉
ニンジン(皮を剥き、一口大に切る)・・・大1本
サツマイモ(皮を剥き、一口大に切る)・・・大1本
カボチャ(一口大に切る)・・・1/6 個

[材料のポイント]
良質なタンパク質と脂質が取れるピーナッツバターは煮込みやお菓子のコク出しに。もったりしたとろみがつき、フフ(キャッサバの粉を水で溶き、火にかけながら練ったもの。もちのような食感)やパンなど主食とよく絡む。食べ応えもアップ。砂糖や乳化剤無添加を選ぶ

[1]炒めタマネギで甘味を出す


ベースを作る。フライパンにピーナッツ油を引き、ニンニクを中火で炒める。香りが出たらタマネギを加える。

[2]トマトで酸味を加える

タマネギが透き通ってきたら、トマト缶を加え、全体に馴染んだら、塩、ベジタブルブイヨン、ハバネロを加える。

[3]ピーナッツバターでコクを加える

ピーナッツバターを加え、全体に馴染ませる。
POINT ここまでは仕込んでおける。冷凍保存も可能。

[4]塩で味を調える

別のフライパンに多めのピーナッツ油を引き、ニンジンを炒める。表面がほんのり柔らかくなったら、に加える。

[5]1 種類ずつ炒める


と同様にサツマイモを軟らかくなるまで炒め、に加える。
POINT 火の通りを考えて、煮崩れしにくいものから炒める。

[6]柔らかいカボチャは軽く

と同様にカボチャを炒めて、に加える。

[7]粘度、具は好みで調節

全ての具を加えたら、好みの粘度まで適宜水を加え、10分程煮る。
POINT 炒めた青菜を最後に加えてもよい。

[8]完成



◎Los Barbados
東京都渋谷区宇田川町41-26パピエビル104
☎03-3496-7157
12:00~15:00、
18:00~22:00LO
日曜休
各線渋谷駅より徒歩12分
http://www7b.biglobe.ne.jp/~los-barbados/
Facebook : Los Barbados

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため要請に合わせて営業時間が変わることがあります。

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。