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JOURNAL / 世界の食トレンド

France [Paris]

注目のパティシエ、ニーナ・メタイエのヴァーチャルブティック

2021.03.25

  • text by Yukino Kano / photograph by Louise Marinig



  • ミシュラン二ツ星「ラ・グランド・メゾン」やラグジュアリーパティスリー「カフェ・プーシキン」のシェフパティシエを務め、2016年には業界誌などで“今年のパティシエ”に選出された、ニーナ・メタイエ(Nina Métayer)が独立した。

    食業界では今や共通認識となった“サステナブルな環境配慮”を第一義に、店舗を持たず、インターネットを駆使して受注販売のみ、というユニークなスタイルで、2020年12月に「デリカティスリー(DÉLICATISSERIE)」を始動した。

    事前予約にすることで商品廃棄をゼロにする。1月はガレット・デ・ロワ、2月はバレンタイン菓子、3月は復活祭菓子&チョコレートと、季節やイベントに即した1~2種のみ提案することで、製造の効率化を実現。デジタルテクノロジーを元に食材を効率よく利用し、果物の皮や種はシロップやクーリに再利用して廃棄を少なく。3Dデータを活用し、美しいデザイン性も追求する。包装はもちろんプラスチックフリーだ。

    商品はパリ近郊のラボでの引き取りの他、パリ&近郊への配達や市内のいくつかのレストランやホテルでのピックアップも可能。現在は大サイズのみの販売だが、いずれはミニサイズも手掛けるという。パティスリーの新たなあり方を問う注目の取り組みだ。

    (写真)2月の菓子「Toi + Moi(君+私)」(22ユーロ)。3Dモデリングを用いた美しいデザイン。男女の組み合わせは好みで選べ、愛の多様性を称えている。



    ◎DÉLICATISSERIE
    https://delicatisserie.com
    Instagram:@delicatisserieofficiel


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