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JOURNAL / 世界の食トレンド

England [London]

自家製フレーバー胡椒でひと工夫 美食家を魅了する高級焼き鳥店

2022.05.23

text by Yuka Hasegawa

2019年5月にオープンした、ロンドン・ソーホーにある高級焼き鳥居酒屋「ハンブル・チキン(Humble Chicken)」。それまであまり英国に紹介されていなかった鶏の様々な部位を使った焼き鳥は、地元のフーディの間で話題になったが、2022年2月、『ミシュランガイド』グレートブリテン&アイルランド版でビブグルマンを獲得し、昨今さらに注目を浴びている。


「一番人気の焼き鳥は、アキレス腱。鶏の油脂を塗って備長炭で焼き、独特のスモーキーなアロマを付けてから、シトラス胡椒と梅干しポン酢でサーブします」と語るのは、日本生まれの若きオーナーシェフ、アンジェロ・サトウ氏。

「日本の焼き鳥で使う“塩”は、英国人にはちょっと物足りない。そこで、オレンジ、レモン、グレープフルーツや柚子などを岩塩と合わせて1カ月熟成したシトラス胡椒の他、ベルガモット胡椒、シソ胡椒など自家製胡椒を作っています。ただ単にいろいろな部位の焼き鳥を提供するのではなく、各部位にあったフレッシュなフレーバーを付けて、焼き鳥に個性を持たせたいのです」

サトウ氏はかつて、ロンドンのミシュラン二ツ星店のヘッドシェフを務めていた気鋭の料理人。焼き鳥の他にも、2週間味噌に漬けたフォワグラや、ムール貝をシトラスポン酢おろしで和えた一品など、ファインダイニングを感じさせるメニューも揃う。

「日本の焼き鳥屋が持つ“熱気”と“おもてなし”の心が伝わる店を目指している」と語る氏。2022年6月には、テイクアウト専門のカジュアルな日本食店の開店も控え、今後の活躍に目が離せない。

(写真)店の看板メニューである「アキレス腱の焼き鳥」(5.20ポンド/2串)。薬味にはシソをあしらって。シェフのおまかせ焼き鳥(20ポンド/5串)も人気だ。



◎Humble Chicken
54 Frith Street, Soho, London W1D 4SJ
☎+44-(0)20-74342782
12:30~15:00(木曜~14:30)
17:15~22:00(土曜~23:00)
日曜、月曜、火曜・水曜昼休
https://www.humblechickenuk.com/

*1ポンド=163円(2022年4月時点)

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