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PEOPLE / 料理人・パン職人・菓子職人

1980年以降生まれ 注目の若手シェフ

スペイン・マドリード「ラ・ガイタン La Gaytan 」ハビエル・アランダ Javier Aranda

2018.07.30

『料理通信』2018年7月号取材時点


近年、急速にボーダレス化する食の世界。国を超えて働く先を選ぶことはもちろん、ジャンル、食材、また店間の垣根を越えて、互いの哲学や素材へのアプローチに刺激を受ける1980年代以降生まれのシェフたちが増えています。資源の枯渇や高齢化社会、深刻な人材不足など、食を取り巻く課題が溢れる中、アイデアとテクニックを武器に生き抜く、新世代の料理人たちの発想はどのように生まれるのでしょうか。これからの食の世界のキーパーソンに、未来を切り拓く仕事術を一問一答で伺いました。



スペイン食材を伝える大使でありたい

Q1 : 食べ手の心を動かすアイデアとテクニックを、どう身につけてきたか?
A1 : 読書、情報収集、絶え間ない試作で6カ月かけて次のメニューを構築してゆきます。コンセプトが出 来上がったら、そのコンセプトをどうやって料理に反映するかを突き詰めます。

Q2 : 世界で働く際に、必要な資質。日本人(自分)の強みはどこにある?
A2 : 私たちの「マスト」は私たちの持っている素材で、世界の料理を表現しうるキャパシティを持つこと。それぞれの素材の適応性を見極め、それに適したテクニックを適応すること。

Q3 : 今、世界とどう繋がっている? 気になる世界の料理トレンドや料理人
A3 : 世界中のテクニックや素材から刺激を受けています。学んだ刺激を自分たちの厨房で試作をしながら身につけます。

Q4 : 尊敬する人とその理由(食の世界に限らず)
A4 : 最も尊敬するのは私の両親です。私のことを常に見守り、現在の私があるのは両親のおかげです。

Q5 : 個性を打ち出すために店づくりで工夫したポイント
A5 : 厳格さ、均衡性、継続性。それらのすべてにスペインのひと味を加えていくこと。

Q6 : スペシャリテについて。料理でもっとも大切にしていることは?
A6 : この料理は、8品で中国からヨーロッパまでを巡るコンセプトのコース料理の中で、イタリアにインスピレーションを受けた一品。24時間63℃で火入れした仔羊に仔羊のフォンのソース、トマトチャツネ、ミニグリンピースを組み合わせています。私は自分こそスペイン食材を伝える大使だと思っているので、イタリアを表現しても素材は自国の旬の食材を使い、素材の安定性、品質を保ちながら創作します。様々なテクスチャーの混ざり具合、様々な味が一体化するところに感動があると思います。

Q7 : 料理人として、これからどう生きていきたいか?
A7 : 料理以外の将来は考えられない。料理は私のパッションであり、毎日この仕事に就いていることを楽しんで過ごしています。

text by Yuki Kobayashi / photographs by Javier Peña





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