異なる人の輪を繋ぎ、情報が集まる場になりたい。東京・錦糸町「私立珈琲小学校」
コーヒーショップの可能性
2023.10.10
photographs by Daisuke Nakajima
連載:コーヒーショップの可能性
日常であり、ミニマムだけれど、内包する世界はワールドワイド。コーヒーは、ソーシャルな飲みものです。そしてコーヒーショップも、商品提供以上のソーシャルな機能を持ち得る場。コーヒーショップで何ができる? 何をすべき? 何がしたい?様々な在り方を紹介しながら、彼らが耕す未来を覗きます。
東京・代官山「私立珈琲小学校」 吉田恒
小学校教師を21 年務めた後、調理専門学校へ。レコールバンタン、自由大学「クリエイティブキャンプインポートランド」で国内外のコーヒーの人々に刺激を受け、2015年東京・池尻大橋に独立開業、2016年に移転。
▶[開店] 2016年7月
▶[活動形態] ショップ、オフィス等への出張ドリップ、
コラボイベント
▶吉田さんにとっての「コーヒーショップ」とは?
違うルールの人たちが出会い、楽しい空間を作っていく場所。
繋がりが繋がりを呼ぶ
「おいしいコーヒーでほっとするだけでなく、人と情報が集まる場所にしたい」と「私立珈琲小学校」吉田恒さん。「コーヒー屋は、同じ場に集まった違うルールを持つ人同士が仲良くなれる場だと思う。それって学校と同じですね」。吉田さんは元小学校教師だ。
現在(2016年)、毎週火曜や水曜は、独立志望の仲間に店を任せ、出張ドリップに出かける。「彼らの持ち味が店の魅力を重層的にする。また僕もその時間を別の仕事に充てられ、新しい可能性が広がります」
吉田さん自身もチャンスをもらって今がある。だから自分も次へと繋げられたら。そんな思いもある。出張先は中目黒のシェアオフィス・みどり荘や、外苑前の「PR TIMES」等。自由大学の講義でお世話になったことがきっかけだ。取材時はこのみどり荘で知り合ったイラストレーターが来店。友人を交え、気づくとスケッチセッションが始まっていた。
「コーヒーは人、もの、事柄、時間に寄り添いやすいんですよね」。繋がりが繋がりを呼んで広がっていく。コーヒーを飲みながら盛り上がるその様子を、吉田さんは穏やかに見つめる。「お客さんと『おいしいですよね』と言い合うのってとても嬉しい」。またそこから広がる輪はとても面白いと吉田さんは言う。
◎私立珈琲小学校 錦糸公園校舎
東京都墨田区錦糸4-9-9宮本マンション2 102
電話なし
8:00 ~ 18:00(土曜、日曜~17:00)
月曜休
Monday Coffee Stand 8:00〜15:00
instagram:@coffeeelementaryschool
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