人気店のシェフに教わる
「ロメインレタス」使いこなし術
2017.06.29
text by Harumi Yaguchi / photographs by Hide Urabe
「シーザーサラダ」に欠かせない葉物野菜、ロメインレタス。生で食べる野菜のイメージが定着していますが、実は、部位によって味や食感が異なり、加熱するとまた違った味わいになるのをご存じですか? いろいろな調理に使えるマルチな野菜は、メニュー開発の強い味方。人気店のシェフにロメインレタスを使いこなす絶品レシピを教わりましょう。
使いこなし術1:ガーリック風味で豪快に焼く
「ロメインレタスの大きな魅力の一つは、“火入れしてもおいしくなること”です」と話す「vivo daily stand(ビーボデイリースタンド)」の花本朗シェフ。玉レタスと比べて肉厚の葉は、火を通してもシャキシャキとした歯応えが残り、しかも、レタス自体の旨味も増すそうです。その特長を存分に生かした「ロメインレタスのアーリオ・オーリオ」を教わりました。
焼きロメインレタスのアーリオ・オーリオ
縦に切ったロメインレタスをフライパンで豪快に押し焼き。焼き色をつけ、火を通した焼き野菜の旨味と、サラダのみずみずしさが同居する楽しい一皿。ガーリックオイルと焦がしねぎ風味のソースがコクを深め、食べ応え十分の野菜料理に。
使いこなし術2:部位に応じて切り方を変える
部位によって味や食感が変わるロメインレタス。花本シェフが、「芯(葉脈)と葉、それぞれの切り方を変えて食感の変化を楽しむ一品です」と教えてくれたのが、「ロメインレタスとリンゴ・クルミのサラダ」です。シャキシャキした芯の部分とフワフワの葉に、歯応えのあるリンゴとクルミをプラスします。
ロメインレタスとリンゴ・クルミのサラダ
芯と葉の食感の違いはもちろん、色のグラデーションも目に楽しい。りんご風味のドレッシングをかけた、果実感あふれる、爽やかなサラダです。「味にコクを加えたいときは、白カビチーズを加えてもいいですね」と花本シェフ。
◎ vivo daily stand 中野本店
東京都中野区中野3-35-6
☎ 03-5888-5476
17:00~26:00(土曜、日曜12:00~26:00)
無休
各線中野駅より徒歩3分
使いこなし術3:大きな葉で肉汁ごと包み込む
大きな葉を一枚ずつきれいにはがせる使いやすさもロメインレタスの特長です。「ロメインレタスで包んだジューシーハンバーグ」は、ロールキャベツの要領で、ロメインレタスで肉を包み込みます。考案したのは「ビストロ ボレロ」の一川洋海シェフ。実は、これまで店でロメインレタスを使ったことがなかったそうです。「玉レタスより価格は少々高いけれど、汎用性があり、使いやすいですね」。葉物野菜であるのに日持ちし、食べ応えのあるロメインレタスに興味深々です。
ロメインレタスで包んだジューシーハンバーグ トマトロースト添え
ロメインレタスで包んで焼いたジューシーなハンバーグに、ガーリック風味を効かせたコクのあるソースを添えて。
使いこなし術4:ピューレにして応用自在!
フレンチのテクニックを用いてロメインレタスを料理した一川シェフ。ピューレにして、たっぷりの外葉を使いこなします。「癖がなく、さっぱりしているので、リゾットやパスタ、魚料理などさまざまな料理に使えそう」。ここでは「アサリとたっぷりロメインレタスのリゾット」を教わります。外葉の芯の部分は刻んでリゾットに、シャキシャキした内側の葉と芯はトッピングのサラダに。ロメインレタスのすべての部位を使ったレシピです。
アサリとたっぷりロメインレタスのリゾット
ピューレに、サラダに、ロメインレタス尽くしの一皿。アサリとロメインレタスの相性の良さに驚きます。トッピングの葉には、オニオン風味のドレッシングを絡めて。柔らかく、凸凹がある葉はドレッシングが絡みやすいのも特長です。
◎ ビストロ ボレロ
東京都目黒区上目黒2-47-11
☎ 03-6712-2390
11:30~15:00(土曜、日曜)
18:00~24:00(火曜~土曜)
18:00~22:00(日曜、祝日)
月曜休
各線中目黒駅より徒歩7分
生で食べても、火を通しても、そして加工してもよし! シェフの使いこなし術を参考に、ロメインレタスを自由自在に使ってみましょう。野菜料理のレパートリーがさらに広がります。