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FEATURE / MOVEMENT

【特集】シェフが証言!見えないところで差がつく油「マルホン 太白胡麻油」をめぐる旅

2023.12.18

シェフが証言!見えないところで差がつく油「マルホン 太白胡麻油」をめぐる旅

【PROMOTION】
text by Kyoko Kita / photographs by Masahiro Goda, Daisuke Nakajima(Comme’N)

乳脂肪でマスキングせず、香りの余韻を引き延ばす

徳島「PRISM」柴田勇作シェフ
東京都出身。「クリオロ」、「ザ・ペニンシュラ東京」で修業後、銀座の店でシェフを務める。2019年、「トップ・オブ・パティシエ」に日本代表として出場。アジア大会にてショコラ部門の味覚最優秀賞を受賞。21年にはイタリア大会日本チームチョコレート担当として出場し、総合優勝。同年、徳島県に移住。現店を営む傍ら地方創生に携わる。23年、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」の日本代表メンバーとして優勝を勝ち取る。

柴田勇作シェフが優勝した2つの国際大会で使用したのが、徳島県の特産品である木頭(きとう)ゆずだ。「木頭は日本の柚子栽培の発祥の地。今でも丁寧に良いものを作り続けています。僕ができるのはお菓子を通じて、そのすばらしさを伝えていくことです」

柴田シェフが徳島に移住するきっかけとなった木頭ゆず。「柚子の中でも香りが飛び抜けている」

「柚子は香りの食材」と考える柴田シェフ。お菓子にする上で意識しているのは「余韻」だ。「飲み込む時に鼻から抜ける柚子の香り。その余韻が長いほど、『柚子を食べた!』という印象が強くなるように思います」

そこで力を発揮するのが太白胡麻油だ。洋菓子によく使われるバターや生クリームなどの乳脂肪は、素材の香りをマスキングしてしまう傾向がある。その点、太白胡麻油は「味も香りもなくクリアなので、柚子の香りをストレートに品良く映し出すことができます。テクスチャーも滑らかなので、乳化しやすい。しっかり乳化できると、口溶けが良くなり、香りもさらに広がりやすくなります」。

柚子クリームはクーベルチュールに太白胡麻油を加え混ぜ、口溶けの良いやわらかさに調整する。

木頭ゆずの果汁を加えて焼き上げたパウンド生地の上面に、木頭ゆずのコンフィチュールと柚子クリームを絞り出し、側面をパータ・グラッセ柚子に浸して冷やし固める。

クリーム、コンフィチュール、パウンド生地、それぞれのパーツに忍ばせた柚子の香りが時間差で弾け、食べ終わってからもその余韻に包まれる。以前から、師匠に倣って何気なく太白胡麻油を使ってきたという柴田シェフだが、木頭ゆずと出会ったことで、その魅力を再認識している。

木頭ゆずの酸味がしっかり残るパウンド生地は、しっとりした食感。すべてのパーツが口溶け良く混ざり合い柚子の余韻を時間差で残す。


「なぜだかわからないけど、食べやすい」パンの理由

世田谷「コム・ン トウキョウ」大澤秀一シェフ
群馬県出身。パン屋を営む家庭に生まれる。2012年より神戸「サ・マーシュ」で修業後、地元・高崎市で「コム・ン」をオープン。2019年、「モンディアル・デュ・パン」世界大会に日本代表として出場し、日本人初の総合優勝を果たす。20年に現在の場所に移転し「コム・ン トウキョウ」をオープンする。

町で愛される昔ながらのパン屋に生まれ、ふわっと軽い菓子パンに囲まれて育った大澤秀一シェフ。「コム・ン トウキョウ」にはガシッと火入れしたハード系のパンが多く並ぶが、どれをとっても、不思議と食べやすい。それは大澤シェフが、自身をはじめ日本人の慣れ親しんだおいしさを大切にしているからだ。

クラストはパリッと、バゲットらしい食感がありながら、力を入れずにサクッと割れる。具材を挟んでサンドイッチにすると嚙み切りやすさは歴然。

特徴的なのが、クラスト(皮)。「引きがなくて、脆いんです。だからストレスなく一口サイズにちぎれるし、サンドイッチにしても具材と一緒に嚙み切れる。最中の皮のようにパリッと割れてポロッと崩れる、そんなイメージですね」
その食感を生み出すのが、通常、製パン材料としてはあまり使われることがない太白胡麻油だ。
「最初はアレルギー対応としてバターの代わりに使ってみたんです。しかし実際に焼いてみると、しっかり練ってボリュームを出しても、皮が厚くならず、脆く仕上がることがわかってきました」
世界大会で作ったブリオッシュも、通常加えるバターの半量を太白胡麻油にした。「従来のブリオッシュとは少し違い、口溶けが滑らかでカステラに近い食感に焼き上がります」

世界大会で作った手捏ねの「ブリオッシュ・ア・ラ・マン」。胡麻油の風味はまったく感じさせないが食べ心地は明らかに違う。

「使う材料や作り方について、こうあるべきというこだわりはありません」と話す大澤シェフ。どんな年齢の人が食べてもおいしいと感じる味わいと食感を目指し、太白胡麻油使いの探究は続く。

おいしさはそのままに、作業性も食べ心地も今の時代にフィット!

料理家 渡辺麻紀さん
東京都出身。大学在学中よりフランス料理研究家の上野万梨子氏のアシスタントを務める。ル・コルドン・ブルー東京校に勤務後、フランス、イタリアで料理を学ぶ。雑誌、テレビ、書籍のほか、フランス、イタリアに本社をもつメーカーでのレシピ考案を手掛けている。

おいしくて大好きなのに、歳を重ねたら体に合わなくなってきた。そんな食べ物はないだろうか。渡辺麻紀さんにとって、そのひとつがキッシュだった。「以前は生地にバターや生クリームをたっぷり使ったオーソドックスなレシピで作っていました。でも最近、それが重く感じるようになってしまって・・・」。では、生地を薄くすればよいかというと、そうではないという。「キッシュは生地とアパレイユ(卵液)と具材のバランスで三位一体となります。生地には、アパレイユと具材を支える厚みと風味が必要だと思うんです」。悩む中で、太白胡麻油を手に取った渡辺さん。

太白胡麻油で作るキッシュ・ロレーヌ。

試作を繰り返していると、面白い発見があった。バターで作る時は、工程ごとに生地を休ませる必要があるのだが、太白胡麻油ではそれが不要だったのだ。「太白胡麻油に替えてみたら、時間も手間も3分の1くらいで済むことに気づいたんです。パート・ブリゼ(‟砕けた生地“の意)らしい、ザクザクホロホロとした食感もしっかり表現できました」

薄力粉に太白胡麻油を加えて軽く30回混ぜるだけという作りやすさ!

そして食べ心地も、驚くほど軽かった。「たくさん食べても全然もたれないんです。しかも、下焼きした生地は室温で1~2日経っても、動物性油脂にありがちな酸化臭が全くしません。時短になって食べ心地が軽く、作り置きできておいしさもキープできる。太白胡麻油で作るキッシュは、今の時代にとても合っていると思います」

アパレイユと具材を支える生地の厚みはキープしつつ、圧倒的に軽い食べ心地。

「味も香りも個性がない」という、最強の個性を持った太白胡麻油。しかし目立たないことだけが、魅力ではないようだ。素材を生かすまっさらなキャンバスとなりつつ、実は使い手のクリエイティビティを刺激し、自在な表現をも可能にしていた。8人のシェフによる証言以外にも、まだまだ秘めた可能性があるに違いない。それを発見するのは、あなたかもしれない。


◎マルホン胡麻油公式サイト
https://www.gomaabura.jp/

(注釈)
※太白は竹本油脂の登録商標です


◎チェンチ
https://cenci-kyoto.com/

◎賛否両論
https://www.sanpi-ryoron.com/

◎フロリレージュ
https://www.aoyama-florilege.jp/

◎茶禅華
https://sazenka.com/

◎清壽
東京都中央区築地3−16−9 アーバンメイツビルB1F
☎ 03-3546-2622

◎PRISM LAB
2024年2月OPEN予定
徳島県徳島市万代町5−71−6 アクアチッタ内
@prism0202

◎コム・ン トウキョウ
https://commen.jp/

◎料理家・渡辺麻紀さん
@watanabemaki_makiette

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