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JOURNAL / 世界の食トレンド

Italy [Firenze]老舗ビスコッティ店と「グッチ・オステリア」が限定コラボ商品を発売

2023.02.20

老舗ビスコッティ店と「グッチ・オステリア」が限定コラボ商品を発売

text by Manami Ikeda

フィレンツェ北東郊外の街プラートで、19世紀半ばにパン店として創業した「アントニオ・マッテイ(Antonio Mattei)」は、地元の大学や病院の食堂向けのパンを製造する傍ら、ビスコッティをはじめとする焼き菓子も販売していた。そのおいしさはフィレンツェでも評判だったが、19世紀末に『La scienza in cucina e l’arte di mangiar bene(厨房の科学 良い食という芸術)』*を記したペッレグリーノ・アルトゥージが、著作の中でアントニオ・マッテイに感謝を捧げたことで、広く知られるようになった。

創業165年を目前とした2022年12月、世界一のシェフとして知られるマッシモ・ボットゥーラがグッチと共同で営む「グッチ・オステリア」とコラボレーションし、塩味の飴掛けアーモンドのビスコッティの限定販売をスタートさせた。

「グッチ・オステリア」はオリジナル食品やテーブルウェアの他、明確なアイデンティティを持つメーカーとのコラボレーションシリーズ「ラ・ディスペンサ(La Dispensa:パントリーの意)」を展開している。アントニオ・マッテイ以外にも、トリノのチョコレートメーカー、フィレンツェのスペシャルティコーヒー企業も参加している。

アントニオ・マッテイのビスコッティは、卵の香りと優しい甘さ、硬すぎずもろすぎず、ほどよい歯応えが特徴だが、今回のオリジナルビスコッティは、そこにキャラメリゼしたアーモンドの香ばしさ、ドルチェ・サラート(甘味と塩味)のアクセントが加わり、より個性的で味わいの余韻が長い。オンラインショップの他、フィレンツェのショップで購入も可能だ。

*2020年、平凡社より翻訳版『イタリア料理大全:厨房の学と良い食の術』が刊行されている。

(写真トップ)「アントニオ・マッテイ」と言えば鮮やかな青色のパッケージが目印。一時期、赤(チョコレート)、緑(ピスタチオ)などもあったが、数年前に原点に立ち返って青色で統一した。ただし今回は「グッチ・オステリア」のアイデンティティカラーであるローズピンクを採用。250g入りで20ユーロ。

Antonio Mattei


◎Antonio Mattei
Biscottificio Antonio Mattei Museo Bottega
Via Porta Rossa, 76r Firenze
Tel.055-0136203
https://www.antoniomattei.it/it/home

*1ユーロ=141円(2023年1月時点)

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