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JOURNAL / 世界の食トレンド

Peru [Lima]美食の国ペルーで国産コーヒーの消費を促す「ぺルーブレンド」

2023.02.20

美食の国ペルーで国産コーヒーの消費を促す「ぺルーブレンド」

text by Keiko Harada

ペルー国内、5つの地域で生産されたシングルオリジンのスペシャルティコーヒーを販売する「アルティドロ・ロドリゲス(Artidoro Rodríguez)」が、国産コーヒーの消費促進に向け、いくつかの品種をブレンドすることで価格を抑えた「ペルーブレンド」の販売を開始した。大手スーパーをはじめ、消費者が求めやすいようコンビニやボデガ(食料雑貨店)にも販路を拡大することで、消費者の注目を集めている。

ペルーはコーヒー生産量世界第6位、オーガニックコーヒーでは世界第2位を誇るコーヒー大国。首都リマ市には国産スペシャルティコーヒーを提供するコーヒー専門店が350店以上あり、愛飲家の数も年々増えつつある。

一方、世界有数の産出国とはいうものの、国民1人当たりの年間コーヒー消費量は877gと日本の足元にも及ばず、うち国産品のシェアは46%、高品質な焙煎コーヒーに至ってはわずか5%を占めるのみ。これには、外国産のほうが勝るという思い込みに加え、国産豆の高騰で消費者の大半が安価な輸入品やインスタントコーヒーへと流れる傾向も影響している。

「ペルーにはコーヒーを消費する文化がまだ定着していません。ペルーの美食文化同様、国産コーヒーももっと楽しんでほしい」とマネージャーのアルバロ・メサ氏。国産品の消費を増やすことで、コーヒー産業の発展や生産者の保護、さらには健康面でのメリットも期待できると強調する。

専門店で味わう香り豊かなコーヒーを日常の食卓に。良質でありながらもっと価格を抑えた商品が必要というメサ氏の思いが、今回のブレンド発売につながった。

(写真トップ)国産コーヒーをブレンドし価格を抑えた「ペルーブレンド」(15.5ソレス/200g)。国産豆の小売価格(25〜45ソレス/200~250g)より手頃で、初めての消費者でも購入しやすい価格となっている。

 

自社のカフェテリア

(写真)リマ市ミラフローレス区にある自社のカフェテリアでは、おいしいコーヒーの淹れ方などを定期的にレクチャーしている。



◎Artidoro Rodríguez Café
Calle Tarata 285, Miraflores Lima, Perú
☎+51-977316051
8:00~21:00
https://www.artidororodriguez.com/

1ソル=約34円(2023年1月時点)

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