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JOURNAL / 世界の食トレンド

審査員は地元のライフガード。ニシンの島が発表する“ニシン・オブ・ザ・イヤー”

Sweden [Klädesholmen]

2023.06.19

スウェーデンのニシンの島が発表する“ニシン・オブ・ザ・イヤー”

text by Sakiko Jin / photographs by Klädesholmen Seafood

6月6日はスウェーデンのナショナルデーだが、“ニシンの日”でもある。

西海岸のヨーテボリから北上すること約70km、漁業の町でも名高いクラーデスホルメン島では、島全体でニシンの日を祝うのが慣わしだ。

ニシンはスウェーデンではなくてはならない食材の一つで、様々な味でマリネする。基本は塩、砂糖、エッティカと呼ばれる食酢をベースにし、風味付けにはタマネギ、マスタード、サンダルウッドなどがよく使われる。

ニシンの日は、「クラーデスホルメン・シーフード(Klädesholmen Seafood)」が手掛ける瓶詰め、「今年のニシン(オーレッツ・シル:Årets Sill)」のお披露目日でもある。

「今年のニシン」は、同社が地元のレストラン「サルト&シル(Salt&Sill)」と共同で発表する年に1回のイベント。毎年4種の新フレーバーを試作し、地元のライフガードが審査員となり、試食をしてニシン・オブ・ザ・イヤーを決定する。目的は新しく、面白く、かつ斬新な味の組み合わせの発見だ。2023年の「今年のニシン」は、グリーンティー&シトラス。レモンバーベナとレモングラス、緑茶を組み合わせた。

日常の食卓然り、クリスマスやミッドサマーなどのお祝い事でも欠かせないニシン。6月はナショナルデーと共に盛り上がり満載だ。

(写真トップ)伝統の味も守りつつ、新しい味の開拓にも積極的。2020年はカニとコーン味、2019年はココナッツとチリ味など、日本人の感覚では考えられないような組み合わせがまた面白い。1瓶38〜42スウェーデンクローナ。1瓶につき1スウェーデンクローナが、海の安全を守る団体に寄付される。


ニシン漁

(写真)クラーデスホルメンはニシン貿易で栄えた島。ニシン漁は1594年までさかのぼる。島にはかつて多くの缶詰工場があったが、2000年代に入り、生き残った4社が2001年創業のクラーデスホルメン・シーフード社に合併して現在に至る。北海やノルウェー海で獲れたニシンは、下処理を終えた後でクラーデスホルメン島に着き、マリネして8カ月から18カ月の熟成期間を経てから市場に出回る。



◎Klädesholmen Seafood
https://kladesholmen.se

*1スウェーデンクローナ=13.1円(2023年5月時点)

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