ざく切りキャベツを強火で蒸し焼き。弱火だけでは作れない「キャベツの蒸し焼き」
レスキューレシピ【キャベツ編】
2023.04.13
![ざく切りキャベツを強火で蒸し焼き。弱火だけでは作れない「キャベツの蒸し焼き」](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_01.jpg)
photographs by Masahiro Goda
連載:レスキューレシピ
日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生鮮食品においても、豊作で余ったり、規格外、傷、スレがあって売り物にならず、行き場のない食品が日々廃棄されているのです。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための食材活用レシピをシェフに教わります。今回はキャベツを使ったレシピを紹介します。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」
目次
教えてくれた人:料理家 長尾智子さん
![料理家 長尾智子さん](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_02.jpg)
料理家、フードコーディネーター。単行本の出版や雑誌の連載などの執筆、商品開発、メニュー提案などと並行してオリジナルの器〜SOUPsを主宰。また、2019年に友人と東京・神宮前に「Bar Werk」をオープン。料理とお酒についてさまざまに実験中。
http://www.vegemania.com/
キャベツの甘味をキャラメリゼ
単純な蒸し焼きですが、材料は同じでも、焼き色をつけるかつけないかで、まったく違う料理になるのが、この調理の面白いところです。
ここでは焼き色をつけましょう。はじめに強火にしてキャベツを入れ、蓋をしてからは中火に落として、野菜の持つ水分だけで火を入れます。
同時に、キャベツの甘味も引き出します。後半は、キャベツの糖分を香ばしくキャラメリゼするイメージです。ただし香ばしい部分が多すぎると重くなるので、切り口に付ける程度で。バランスも大事です。
「キャベツの蒸し焼き」材料と作り方
[材料](約2人分)
キャベツ・・・約1/3個
パンチェッタ(スライス)・・・5、6枚
塩・・・少量
オリーブ油・・・大さじ2
[作り方]
[1] キャベツを切る
キャベツは、まず外側の色が濃く厚い葉を外し、真ん中の芯を境に2等分してからさらに4等分ほどにして重ねておく。内側の部分は、芯が完全に外れない程度に元の部分を切り落とし、放射状に2等分する。
[2] 鍋を温める
![鍋を温める](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_03.jpg)
厚手の鉄鍋などにオリーブ油大さじ1を温め、塩ひとつまみを入れる。
POINT:オリーブ油の質が仕上がりに出るので上質なものを。
[3] キャベツを詰める
![キャベツを詰める](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_04.jpg)
キャベツを詰めるようにして入れる。塩をふり、パンチェッタを散らしてから残りのオリーブ油を回しかけて蓋をする。
[4] 蒸し焼きする
![蒸し焼きする](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_05.jpg)
中火にして、途中焼き色を見て上下を返しながら、約10分かけて蒸し焼きする。
[5] 焼き色をつける
![焼き色をつける](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_06.jpg)
キャベツの切り口に濃いめの焼き色がつき、全体がしんなりとやわらかくなったら出来上がり。
[6] 盛り付ける
![盛り付ける](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_07.jpg)
熱いうちに器に盛り、鍋に残ったオリーブ油をふる。
![キャベツの蒸し焼き](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/04/rescue_recipe_30_cabbage_tomoko_nagao_08.jpg)
最後に、レモンなど柑橘類の風味を加えたり、塩気を控えてアンチョビーを途中で加えてもいい。肉厚のホウレン草、ケール、カーボロネーロ、プチヴェールなどでもおいしく作ることができる。
(雑誌『料理通信』2018年5月号掲載)
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