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JOURNAL / 世界の食トレンド

England [London]

ミシュランシェフがロンドンの一等地で手掛けるヴィーガン・スシ

2021.07.08

  • text by Yuka Hasegawa



  • ロックダウン完全緩和の最終段階に入り、2021年5月中旬から飲食店の店内営業が再開したイングランド。パンデミックの収束を待ちかねていたかのように、ロンドン内に新しい店も次々とオープンし、人々の外食熱に拍車をかけている。

    中でも話題を呼んでいるのは、ミシュラン一ツ星シェフ、アレクシス・ゴルティエ(Alexis Gauthier)氏が、4月にメイフェアに立ち上げたヴィーガン・カフェ「123ヴィー(123V)」。自らヴィーガンであることから、コロナ禍を機にソーホーの旗艦店に100%ヴィーガン・メニューを導入し、同カフェでは代替肉を使ったバーガー類や創作サラダを提供している。

    一番人気のメニューはヴィーガン・スシ。タピオカでんぷんなどをベースにしたヴィーガン・サーモンは、醤油やショウガと共に48時間真空調理し、スモークサーモンのようなコクのある味わいと食感を再現したり、細切りにした豆腐を海藻と調理してカニ肉風の裏巻きにするなど、長年ファイン・ダイニング界に君臨してきたシェフの店にふさわしい高い技術が細部に見え隠れする。

    「今やスシは、世界で最も愛されている食べ物のひとつ。ヴィーガンの人が安心して楽しめる、クリエイティブなスシを提供したかった。店の看板メニューのスシセットは毎日完売となるほど人気です」と語るゴルティエ氏。カリフォルニア巻きにとどまらず、日本が誇るスシは、自国を離れさらなる進化を遂げているようだ。

    (写真)ヴィーガン・サーモンとマグロの握り、カリフォルニア巻き、ヴィーガン・カニ肉の裏巻きなどで構成される「スシセット(大)」は、ジャガイモでんぷんと大豆由来のエビの天ぷらがついて19.50ポンド。



    ◎123V
    Fenwick of Bond Street, 63 New Bond Street,
    W1S 1RQ
    ☎+44-(0)208-132-9088
    9:30~19:00(テラス席~20:00)
    無休
    https://123vegan.co.uk/
    Instagram: @123vegan_w1


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