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FEATURE / ワールドガストロノミー

JOSELITO LAB 2016 ホセリート×「日本料理 龍吟」

スペシャルディナー 開催リポート

2016.12.16




ホセリート社 ホセ・ゴメス氏(左)たっての希望で山本シェフ(右)が選ばれた。



スペイン・ホセリート社が、自社のハモン・イベリコ・ベジョータやイベリコ豚製品を題材に、世界各地のモダン・ガストロノミーレストランのシェフと開催するワークショップ。第4回は東京・六本木の「龍吟」山本征治氏が選ばれ、10月8日にお披露目ディナーが開かれた。





皿に漲る、圧倒的な素材の力。

「ホセリート」をご存知だろうか。スペイン産ハモン・イベリコ・ベジョータの中でも最高級と呼び声の高い、150年の歴史を持つ生ハムブランドだ。標高1000m以上の冷涼な気候の中、自社保有の森林で放牧した豚を用い、生ハム製造は冬場に限定。徹底した品質管理の下で育まれる。このイベリコ豚製品を、世界のトップシェフたちが料理に仕立て、記録発表していくのが「ホセリートラボ」である。
2013年の元「エル・ブジ」(2011年閉店)フェラン・アドリアシェフを皮切りに、「ラ・カランドレ」マッシミリアーノ・アライモシェフ、「デ・リブリエ」ジョニー・ボアーシェフに続き、第4回は「龍吟」山本征治シェフが選ばれ25品を発表。うち8品が10月8日(土)、「龍吟」にて日、伊、スペインなど世界各国から集まったプレスに向けて披露された。

サン・セバスティアンに料理学会で赴いた際に初めてホセリートの生ハムを食べ、完成度の高さの虜になったという山本シェフだが、今回の依頼には悩まされたという。「素材として完成されており、料理人の入る隙がない」。そもそも自身は日本料理人。生ハムはもちろん、豚肉も普段は店で扱わない。
そんな山本シェフは今回、特長である赤身の旨味の強さを生かすため、部位ごとに火入れの温度帯を変え、ねっとりした舌触りと、加熱によるアミノ酸の旨味を引き出した。料理によっては焼き目を付け、メイラード反応の旨味も加味。生ハムはその塩気と熟成による旨味をアクセントや調味料としても活用した。


世界のトップシェフは、最高級イベリコ豚をどう使う?

「素材の持つ旨さの力を生かす」という言葉通り、素材の主張が際立ち、エネルギーに満ち溢れていた皿の数々をご覧いただこう。

プレサの“すき焼き” 熱々鉄板仕立て 松茸とともに
Joselito Presa “Sukiyaki” on hot plate with Matsutake mushroom

肩肉「プレサ」は筋繊維に脂が交雑した部位。霜降りのとろける旨味と赤身のコクを併せ持つ。焼き色をつけた塊肉のスライスを割り下でさっと炊き、卵でとじて。


龍吟バーガー
RyuGin Burger

松茸の笠をバンズに見立て、ハモン・イベリコ・ベジョータ、アバニコ(首肉と肩肉の間の部位)とベントレスカ(バラ肉)のパティを挟んだ。バルサミコと濃口醤油をベースにしたソースの酸が輪郭を引き締める。



ロモのしゃぶしゃぶ 冷製昆布〆仕立て
生ハムのジュレとハムのチップスとともに
Joselito Lomo “Kobujime” with ham jelly and chips

昆布〆にしたロモ(ロース)を薄切りのしゃぶしゃぶ仕立てに。ハモン・イベリコ・ベジョータとだしで作っただしのジュレを添え、クリスピーなハモン・イベリコ・ベジョータのチップスをのせた。



鰹と昆布のだしにハモン・イベリコ・ベジョータや端肉を入れて煮出し、トリュフや生ハムを沈めた「香りの融合一番出汁」や、特注のロゴ入りのガラスの器に入れられた「トリュフの香りの茶碗蒸し」、タンパク質の凝固を見極めたプレサの握りずしなど、今回山本シェフが考案した料理は25品。1冊のレシピブックにまとめられ、世界各国に発表。10月8日は、その中から8品がコース形式で供された。



山本征治
1970年生まれ、香川県出身。
国内の日本料理店数店で経験を重ねた後、03年、東京・六本木に「日本料理 龍吟」を開店。香港と台湾に支店を持ち、アジア3カ国から日本料理を世界に向けてリアルに発信している。





◎ 日本料理 龍吟
東京都港区六本木7-17-24
☎ 03-3423-8006







[お問い合わせ先]
株式会社アルカン
☎ 03-6841-6106
www.arcane-jp.com/










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