PERFECT MATCHING GUIDEもっと知りたい、EU食材
EU食材 × 日本食材 パーフェクトマッチングのコツとレシピ vol.2
2019.12.06
text by Kyoko Kita / photographs by Bungo Kimura
2019年2月1日に日欧EPAが発効したことを受け、今後、EUから輸入される食品や飲料の選択肢がより広がることが予測されます。ヨーロッパの豊かな食文化を体現した食材を日々の食卓に取り入れて、 毎日の暮らしをバージョンアップさせたいもの。活用術をプロと探ります。
PERFECT MATCHING RECIPE 1 日欧和食膳
揚げ茄子の梅タイム味噌和え~梅タイム味噌が新しい~
材料(1皿分)
豚バラ肉薄切り 4枚
塩 適量
薄力粉 約小さじ2
ナス(厚さ1.5㎝の輪切り) 2本
作り方:梅練り味噌タイム風味(4~5人分)
小鍋にバター大さじ1をいれ、弱火で熱し、タイムの葉大さじ1とちぎった梅肉小1個分をさっと炒める。味噌50g、卵黄1個分、酒大さじ2、ローズハチミツ大さじ1.5、砂糖大さじ1/2を混ぜ合わせたものを加えて撹拌しながら加熱し、とろみがついたら火から下ろす。
作り方
① 豚バラ肉は3~4等分し、片面に軽く塩をして、薄力粉を両面に薄くまぶす。
② ナスと豚肉は多めの油(分量外)でそれぞれ揚げ焼きする。
③ 食材が熱いうちに「梅練り味噌タイム風味」を適量でざっと和える。
無花果とピスタチオ、アボカドの白和え~ふんわりマイルド。新感覚の白和え~
材料(4人分)
絹ごし豆腐 250g
衣
ゴマペースト 大さじ1.5
ローズハチミツ 大さじ2/3〜1
淡口醤油 小さじ1.5~2
塩 少量
ドライイチジク(厚さ2~3㎜の半月切り) 3個
らっきょう漬け(縦に薄切り) 3粒
ハモンセラーノ(2~3等分) 2枚
アボカド(一口大に切る) 小1個
ピスタチオ 大さじ2(20g)
作り方
① 絹ごし豆腐は厚手の布巾に包み、冷蔵庫に1時間ほど置いて水切りする。
② ①と衣の材料をボウルに入れ、ホイッパーですり混ぜる。
③ 残りの材料を2に加えてざっと和え、器に盛る。
胡麻豚汁~ゴマがコクと食べ応えをアップ~
材料(2~3人分)
豚バラ肉薄切り(ざく切り) 50g
ニンジン(厚さ5㎜の半月or銀杏切り) 40g
ダイコン (厚さ5mmのいちょう切り) 40g
コンニャク(厚さ5㎜の短冊切り) 50g
太白ゴマ油 小さじ2
鰹だし 400ml
味噌(信州味噌) 30g
ゴマペースト 大さじ1~2
青ネギ(小口切り) 適量
オーガニック発酵バター無塩 適宜
七味唐辛子 適宜
作り方
① 鍋に油(分量外)を引き、中火で熱し、肉を炒める。肉の色が変わったら野菜とコンニャクを入れてさらに炒める。
② 全体に油が馴染んだらだしを加える。沸いたら火を弱め、蓋をしてアクを取りながら野菜が柔らかくなるまで煮る。
③ 味噌を溶かし、火を止めてゴマペーストを加え混ぜる。
④ 椀によそい、青ネギを散らす。好みでバターを溶かし混ぜたり、七味唐辛子をふって。
パプリカの炊き込みご飯~食欲そそる香りの洋風炊き込みご飯~
材料(4~6人分)
牛肉切り落とし(ざく切り) 50g
A
塩 少量
パプリカパウダー 2つまみ
ゴマ油 小さじ2
米(研いでざる揚げ) 2合
B
水 340ml
日本酒、淡口醤油 各大さじ1
パプリカパウダー(甘口) 小さじ1
粉末こぶだし 小さじ1/2
剥き銀杏 20g
白舞茸(小房に分ける) 1パック(100g)
塩 少量
百合根(1片ずつほぐす) 小1球
作り方
① 牛肉にAを揉み込み、中火のフライパンで炒める。
② 米とBを炊飯器に入れて混ぜ、1と銀杏を散らして炊く。
③ フライパンをさっと洗い、舞茸を並べ、日本酒を回し入れて塩をふる。中火にかけて酒が沸いたら蓋をし、弱火で2~3分加熱する。
④ ②が炊き上がったら、百合根、3を散らし、15分蒸らす。
EU食材 使い方のコツ
日本人にも馴染み深いゴマペーストは、豚汁に加えてコクと風味を増しました。白和えにはハチミツを忍ばせてイチジクとピスタチオとの繋ぎ役に。香り高く色鮮やかなパプリカご飯はひと味違う新しい味わい。お酒も呼びます。
おすすめワイン〈ポルトガルのロゼ〉
ロゼは、比較的どんなものにも合いやすく中でも豚肉やパプリカとは好相性。
PERFECT MATCHING RECIPE 2
豚肉のポットロースト ピスタチオまみれ
材料(2~3人分)
豚肩ロース塊肉 600g弱
水 500ml
酢 大さじ1
黒粒コショウ 小さじ1
ゲランドの塩(細粒) 小さじ1/2~2/3
オーガニック発酵バター無塩 10g
ローズハチミツ 小さじ2
白ワイン 大さじ2
ドライイチジク 4個
赤タマネギのバターヴィネガーフォンデュ
赤タマネギ(繊維に沿って厚さ5㎜のくし切り) 小1個
オーガニック発酵バター無塩 15g
水 大さじ2
塩 少量
酢 小さじ2
〈仕上げ〉
オーガニック発酵バター無塩 20g
ゴマペースト 大さじ3
ピスタチオ 大さじ3
パプリカパウダー 少量
作り方
① 豚肩ロース肉は常温に戻し、酢水に5分ほど浸けて臭みを取る。水気を拭き取り、粗く潰した黒
コショウとゲランドの塩をふる。
② 厚手鍋にバターとハチミツを入れ中火で熱し、ジュワジュワと温まったら1 を転がしながら全面を焼く。
③ 白ワインを加えてひと煮立ちさせ、イチジクを入れて蓋をし、火を弱め、途中で肉を返しながら25分ほど熱する。火を止め、肉の上にバターをのせフタをし、そのまま20分程置く(途中一度肉を裏返す)。
④ 別鍋に赤タマネギ、バター、水、塩を中火で熱し、蓋をして火を弱め、赤タマネギが柔らかくなるまで15分ほど熱する。途中、焦げるようなら水少量を足す。火を止め、酢を加え混ぜ、蓋をしてそのまま置く。
⑤ ③を取り出し、ゴマペーストを塗り、粗く刻んだピスタチオをまぶしつけ、上にパプリカパウダーをふる。
⑥ 器に④を引き、好みの厚さに切った肉をのせ、半分に切ったイチジクを添える。肉汁を別に添えて、好みで回しかける。
EU食材 使い方のコツ
豚肉は塊のまま、バターとハチミツでソテーしてリッチな風味をまとわせ、蒸し焼きに。ピスタチオとパプリカを表面に塗し、香ばしさと深みを出します。おもてなしの1品にぜひ。
おすすめワイン〈アルト・アディジェ(PDO)の赤〉
イタリア北部の繊細で軽やかな赤を。豚肉とは相性も◎。
PERFECT MATCHING RECIPE 3
タラと生ハム、酒粕ソース
材料(2人分)
タラの切り身 70g×4切れ
ゲランドの塩(細粒) 少量
ハモンセラーノ 4枚
オーガニック発酵バター無塩 10g
ローズハチミツ 小さじ1
実山椒または花椒 小さじ1/2
酒 大さじ1
ユズ果汁 小さじ2
ユズの皮(すりおろし) 適量
◎ レンコンのポワレ
中火に熱したフライパンにバター小さじ2を入れ、レンコン(皮ごと厚さ7~8㎜の輪切り)を焼く。片面が色づいたら裏返し、水小さじ2を注いで塩コショウをする。蓋をして蒸し焼きにし、ゲランドの塩、コショウで調味する。
◎ 酒粕バターソース
小鍋に酒粕50gを入れ、チキンブイヨン50mlを少しずつ加え溶きほぐす。塩少量を加えて弱火にかけ、温まったらバター大さじ1を手早く混ぜ、塩で調味する。
作り方
① タラの片面に軽めに塩をふり10分おく。
② 水気を拭い、生ハム1枚で1切れを巻く。
③ 中火に熱したフライパンにバター、ハチミツ、山椒を入れ、2 の巻き終りを下にして色づくまで焼く。
④ 裏返して酒を回し入れ、ひと煮立ちさせる。火を弱め、蓋をして火を通す。
⑤ 火を止め、ユズ果汁を回し入れる。
⑥ 皿にレンコンのポワレと⑤を盛り合わせ、焼汁を回しかけ、酒粕ソースを添え、ユズの皮をすりおろす。
EU食材 使い方のコツ
生ハムの塩気を淡白なタラ、芳醇な酒粕ソースが受け止めます。山椒が心地よいアクセントに。仕上げに散らすユズの香りと、バターのリッチでミルキーな風味が好相性。
おすすめワイン〈リアスバイシャス(PDO)の白〉
ハモンセラーノの故郷、スペイン繋がりで。港町の近くで造られ、魚との相性も抜群。
PERFECT MATCHING RECIPE 4
無花果と牛蒡、豚肉、黒胡椒のかき揚げ
材料(3個分)
ドライイチジク 2個
豚肉切り落とし 70g
ゴボウ 1/2本
黒粒コショウ(砕く) 小さじ1強
薄力粉 適量
衣(薄力粉45g、片栗粉15gを合わせ、氷水100mlを注いでさっくり混ぜる)
◎ 仕上げ
ゲランドの塩(細粒) 適量
パプリカパウダー 3つまみ
辛味大根おろし 1/4カップ
ブルーベリーハニー 小さじ1~2
一味唐辛子 適宜
作り方
① イチジクは放射状に8等分する。豚肉は3㎝幅に切る。
② ゴボウは3等分し、ピーラーでリボン状に下ろし、薄力粉を薄くまぶす。
③ ゴボウ、豚肉、イチジク、黒コショウを1/3量ずつまとめて衣にくぐらせ、170℃の油(分量外)で揚げる。途中、裏返して計2~3分揚げる。
④ 皿に盛り、3 にゲランドの塩とパプリカパウダーをふる。水気を切った大根おろしにブルーベリーハニー、一味唐辛子をかける。※ブルーベリーハニーは硬ければレンジに2~3秒かけてやわらかくするとよい。
EU食材 使い方のコツ
ゴボウの大地の香りをパプリカが引き立て、イチジクの甘味と繋げます。ブルーベリーハニー、一味唐辛子、大根おろしを合わせた、ピリ辛甘いたれはかき揚げをワインに合う味わいに。
おすすめワイン〈サン・テステフ(PDO)の赤〉
ゴボウの土の香りと仕上げの黒コショウがフランス ボルドーのカベルネと呼応しあいます!
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