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RECIPE

卵をしっかり泡立て、フワフワ食感に!

鋳鉄鍋で焼く「Maruta」の「焦がしチーズスフレ」

レスキューレシピ【卵編】

Apr 21, 2022

photographs by Tsunenori Yamashita

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生鮮食品においても、豊作で余ったり、規格外、傷、スレがあって売り物にならず、行き場のない食品が日々廃棄されているのです。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための食材活用レシピをシェフに教わります。今回のテーマは、卵。定番の卵料理にひねりを加えた秀逸レシピをお届けします。賞味期限が迫っても焦らず、卵料理を楽しみましょう。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」

教えてくれたシェフ
東京・調布「Maruta(マルタ)」石松一樹さん

1988年生まれ。東京都出身。調理師学校を卒業後、銀座の「カーエム」ほか、都内の有名フレンチレストランで修業を積み、2016年、27歳でオーストラリアへ。メルボルン郊外の大自然に囲まれたレストラン「ブラエ」で料理を担当。帰国後、「Maruta」シェフに就任。


大鍋でざっくり焼いて、スプーンでラフに分け合う

なんと、鍋でチーズケーキが焼けるとは。「Maruta」でコースの最後に出される「焦がしチーズスフレ」は、ストウブの鋳鉄鍋に生地を流し、薪火で焼いて仕上げた、香ばしい大人のデザートだ。メインを食べ終えた頃、石松一樹シェフがテーブルに焼き上がった鍋を見せに来てくれる。蓋を開ければ、香ばしい香りが立ち上り、中からはこんがりと濃い焼き肌が。

鋳鉄鍋を使う一番の利点は、直火加熱もオーブン加熱も可能で、鍋のまま温め直しができること。営業前にオーブンで焼き上げておき、提供直前に直火で再加熱することで、ふんわりと儚い口溶けが戻る。「鍋肌が良い塩梅に香ばしくなるのも魅力です。店では薪火で炙るので、さらにその燻香をまとってスモーキーな大人の味わいに」とシェフ。

おいしく仕上げるコツは、薄力粉の量を極力少なくして、重くならないようにすること。同時に、クリームチーズと全卵を加えた生地は、しっかりホイップして気泡を抱かせることも大切だ。分離しないよう、ゆっくり泡立て始め、少しずつスピードを上げてゆくようにしよう。風味アップのために焦がしバターを加えるが、人肌に温まっているので、生地が泡立てやすくなるのも利点だ。

香ばしくふわっと温まったところを、大きいスプーンでラフにすくって、ヨーグルトソルベを添えて。大きな鍋で仕上げたデザートを、皆でシェアする。そんな食べ方もエンターテインメントだ。


「Maruta」の焦がしチーズスフレの極意


・焦がしバターで深いコクと香ばしさをプラス。
・卵を加えた生地をしっかり泡立てる。
・粉は最小限の量に留め、軽さと口溶けの良さをキープ。

「焦がしチーズスフレ」材料と作り方

[材料](24cm径の鍋1台分)

クリームチーズ・・・500g
きび砂糖・・・160g
全卵・・・3.5個
バター・・・50g
生クリーム(乳脂肪分36%)・・・200ml
薄力粉・・・10g

[1]クリームチーズをポマード状に
2㎝角程度にカットしたクリームチーズをミキサーボウルに入れ、中速のホイッパーでほぐす。きび砂糖を加え、ポマード状になるまで中速で混ぜる。

[2]焦がしバターを作る
小鍋にバターを入れ、中強火で熱する。ホイッパーでかき混ぜながら、溶けて、泡が立ち、茶色く色付くまで熱したら容器に移し、氷水をあてて粗熱を取る。

[3]卵を加えて混ぜる
を加え、馴染むまで中速で混ぜたら、全卵を加え、角が立つまで高速で4分程度回して止める。生クリームを加える。


[4]角が立つまで混ぜる
低速→中速へと徐々に上げながら混ぜ合わせる。分離しないよう注意する。写真のように生地に艶が出てふわっと角が立てばOK。

 [5]ヘラで均一に混ぜる
に薄力粉をふるい入れ、泡を潰さないよう、生地を切るようにヘラで混ぜる。均一に混ざったら、鋳鉄鍋に生地を流す。


[6]オーブンで焼成する
220℃に予熱したコンベクションオーブンにを入れ、40~45分焼成する。

[7]粗熱を取って保存する
中央がぷっくりと膨らんで盛り上がり、香ばしい焼き目が付けばOK。オーブンから取り出すと徐々にしぼむ。冷ました状態で保存できる。

[8]提供前に再加熱する
提供の少し前になったら鍋に蓋をし、鍋ごと薪火で熱して香ばしく炙る。中火のガスコンロにかけてもOK。

[9]スプーンですくって提供
温まったら、温かいうちにスプーンですくって1人前ずつ皿に盛り、好みでヨーグルトソルベ等を添えても。


粉の量は最低限におさえて焼き上げることで口溶けのよい食感に。鍋肌もしっかり焼き付け、生地にも焦がしバターを加えることで、香ばしく奥深い大人の甘さを実現。

<シェフの道具>
STAUB社の鋳鉄鍋

蓄熱性が高く、直火加熱も、オーブン加熱も可能。下焼きをしておき(生地は入れっぱなし)、提供前に鍋を再加熱すれば熱々が供せる。生地が鍋肌に当たる部分は香ばしいお焦げがつくのも鋳鉄鍋ならではの嬉しいご馳走だ。


◎Maruta
東京都調布市深大寺北町1-20-1
☎042-444-3511
土曜、日曜のみ営業
ランチ 11:30 ドアオープン
ディナー 日没ドアオープン
京王線調布駅よりバス、深大寺北町バス停下車すぐ
https://www.maruta.green/

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2019年2月号掲載)

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