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JOURNAL / 世界の食トレンド

Italy [Roma]満を持して“イタリア料理”を世界無形文化遺産登録に申請!

2023.05.22

満を持して“イタリア料理”を世界無形文化遺産登録に申請!

text by Mika Hisatani

イタリア政府は2023年3月23日、「イタリア料理」をユネスコ世界無形文化遺産登録に申請することを発表した。イタリアの食関連では既に、「地中海食」や「ナポリのピッツァ技法」、「パンテレリア島のブドウ栽培」などが世界無形文化遺産として登録されているが、「イタリア料理」としては今まで打診があったものの、政府が正式に登録申請するのは初めて。この発表によりイタリアは、食文化の素晴らしさだけでなく、イタリアのライフスタイルそのものを世界に促進するという意向を示した。

ロロブリジーダ農食林大臣は「イタリア料理とは、この国の文化多様性を反映した伝統のモザイクです。単なる料理やレシピを指すのではなく、食を通じて人々が集い、分かち合うという、階級のない社会的風習を意味します。食文化を自らのアイデンティティと捉える我々の“儀式”でもあるのです」と述べた。

ミシュラン三ツ星シェフのマッシモ・ボットゥーラ氏は「イタリア料理とは、人々の身体と心に2回栄養を与えることができる文化であり、イタリアの“国”そのものを象徴するもの」とコメント。政治家や著名シェフだけでなく、スローフード協会からイタリア料理アカデミー、観光協会、人類学者から歴史家まで、あらゆる団体や専門家が後押しし、満を持しての申請となった。

今回の発表は、イタリアの農産物輸出量が過去最高の歴史的な数字を記録した時期に行われていて、政府はこの登録で、さらなる経済の発展も目指していると見られている。

ユネスコ世界無形遺産登録の審議結果は2025年12月に発表される予定だ。

(写真)この発表からすぐにメローニ首相は、“メイド・イン・イタリー”を専門的に学ぶ高等学校を新たに開校すると発言して話題に。政府による国内外へのイタリア食材のアピールが熱を帯びている。



◎Ministero della cultura
イタリア文化省ホームページより
La cucina italiana candidata a patrimonio UNESCO
https://cultura.gov.it/comunicato/24360

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