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FEATURE / MOVEMENT

第13 回クインビーガーデンメープルスイーツコンテスト 開催報告

メープルの新たな魅力をプロが提案

2019.01.05

FEATURE / MOVEMENT

メープルを自然に活かした作品が高評価

カナダの森が育む天然の甘味料、メープルシロップとメープルシュガー。その魅力と可能性をプロの発想と技術で引き出すべく、第13回「メープルスイーツコンテスト」(クインビーガーデン主催)が開催され、表彰式が2018年11月、東京・港区のカナダ大使館にて行われた。応募総数は188作品。志賀勝栄氏、森田良太氏、柳正司氏、藤本智美氏、藪光生氏、梶山浩司氏が審査した。

パン部門最優秀賞は「グランド ハイアット 東京」関口良寛氏。志賀氏は「伝統のレシピをメープルに合わせて再構築する発想が秀逸。実技審査でも技量を感じた」と評した。洋菓子部門は「Patisserie genki」田邊ともみ氏が受賞。柳氏は「シンプルな構成でメープルの魅力を活かしていた」とコメント。藪氏は「コンテストを通じ、メープルが和菓子の素材として浸透し始めている」とし、「成城凮月堂」新田信一氏の作品を「メープルと伝統的な製法の調和が取れており、完成度が高い」と語った。



メープルシロップ・メープルシュガーの特長を理解することが、味の方向性を決めるうえでも重要となる。


【パン部門】最優秀賞
Canadian Danish

イタリアの堅焼きパンであるタラッリーニの生地とアーモンドクリームを3 段に重ね、デニッシュ生地で包んで食感の違いを印象的に。ケーク型を使いお菓子のような形に仕立てた。すべてのパーツにメープルを練り込んで甘い香りいっぱいに、キャラメリゼしたバナナのほろ苦さでバランスを取った。



グランド ハイアット 東京
関口良寛さん

イタリアのおつまみパン「タラッリーニ」のザクザクした食感が好きで、これをパンに応用したい、という発想で作りました。メープルの香りをひと口目から感じられるよう、メープルを全体にたっぷり使いました。



実技審査中の関口さん。コンテスト初挑戦ながら、メープルの風味と個性を見事に引き出した。




【洋菓子部門】最優秀賞
メープルミルリトン

メープルを練り込んで焼いた香ばしいパート・シュクレに、アーモンドクリームとメープルで煮詰めたナッツ、アンズ、オレンジのフィリングを入れたミルリトン。塩とラム酒を効かせてメープルの甘さを引き締め、フルーツの酸味を合わせることで味わいに変化をつけた。



Patisserie genki
田邊ともみさん

フランス伝統菓子をアレンジし、パーツの数を絞ってシンプルな味わいにまとめました。メープルを贅沢に使ってその個性を引き出しつつ、お菓子全体が調和するようにバランスを取るのが難しかったです。



デコレーション中の田邊さん。日頃の丁寧な仕事ぶりが、実技審査でも随所に発揮された。




【和菓子部門】最優秀賞
宝樹

こしあんを夏ミカンの皮の苦味と酸味を効かせた浮島で包み、周囲を米粉とこしあんで作った生地で覆ってサトウカエデの木肌を表現。中心のこしあんにメープルの錦玉羹を極細かく刻んで混ぜ込むことで、甘さを抑えつつもメープルの風味をしっかり感じられるようにした。



成城凮月堂
新田信一さん

30 年前、カナダ人の知り合いから聞いた「メープルを作り出す樹はカナダ人にとっての宝だ」という話から、「宝樹」という名前と、サトウカエデの木を模した形のお菓子を発想しました。



メープルシュガーを手にする新田さん。メープルの風味を和と融合させた熟練の技が高く評価された。






◎ 株式会社クインビーガーデン 東京支社
☎ 03-6228-4183
www.qbg.co.jp

◆受賞作品のレシピはこちらへ
http://www.qbg.co.jp/contest/copy_contest13.html



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