一過性の流行ではない“ヴィーガン”。世界の事例6選
2022.10.11
連載:気候キャンペーン
宗教上の理由や健康のためだけでなく、動物愛護や環境保護の視点から肉食をやめる人が増えています。中でも肉、魚介、卵、乳製品といった動物性食材をまったく摂らないのが「ヴィーガン」。一見ストイックに聞こえますが、世界ではクリエイティブなヴィーガンメニューが続々と登場しています。
目次
「すし」「パン」「肉」「チーズ」「バター」をヴィーガン仕様に
【1】イギリス
ミシュランシェフがロンドンの一等地で手掛けるヴィーガン・スシ
ミシュラン一ツ星シェフ、アレクシス・ゴルティエ氏がメイフェアに立ち上げたヴィーガン・カフェ「123ヴィー」が話題を呼んでいる。
【2】フランス
「メゾン・ランドゥメンヌ」が手掛ける100%ヴィーガンのブーランジュリー
「ランド&モンキーズ」のオーナー夫妻はヴィーガン。これまでも、乳製品や卵など動物性の素材を一切使わないおいしさの追求をしてきたが、100%ヴィーガンのブーランジュリーをオープンした。
【3】イギリス
英国初のヴィーガン向け肉屋の“DIYキット”デリバリー
英国初のヴィーガン向け肉屋「ルーディーズ(Rudy’s)」の、ハンバーガーやパストラミサンドのホームキットが人気を集めている。
【4】オーストラリア
ヴィーガンのハートをガッチリ掴んだ代替肉
ヴィーガンの間で話題のジャックフルーツが代替肉として注目されている。シドニーのバーガーチェーン「ソウルバーガー」ではジャックフルーツで作るプルドポークが人気。
【5】イギリス
ヴィーガン旋風を反映しチーズ専門店がオープン
2019年2月、ロンドン南部ブリクストンに、ヴィーガン・チーズ専門店「ラ・フォーマジュリー」が登場。ヴィーガンだけでなく、ヘルスコンシャスな食通が足を運ぶスポットとなっている。
【6】アメリカ
ヴィーガン対応のバターが誕生
ヒヨコ豆の茹で汁アクアファバとココナッツを原料とするヴィーガン対応のバター「ファババター」。「タルティーン・ベーカリー」「ママン」といった人気ベーカリーも利用している。
「もっと野菜を」今日からできる気候変動へのアクション
国連広報センターが「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志とともに、気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」を実施しています。料理通信はこのキャンペーンに参加し、食にかかわる気候変動への取り組みを国内外から紹介していきます。
●ActNow! 今すぐできる『10の行動』
「ActNow」は、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーン。どんなことが気候変動の抑制に役立つのか、身近な行動を10項目挙げています。「野菜をもっと多く食べる」はそのうちの1つで、気候変動の防止に役立つとされています。
野菜をもっと多く食べる
野菜や果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子の摂取量を増やし、肉や乳製品を減らすと環境への影響を大幅に軽減できます。一般に、植物性食品の生産による温室効果ガスの排出はより少なく、必要なエネルギーや土地、水の量も少なくなります。
(国連・ActNowキャンペーン:気候変動の抑制に対して個人でできる『10の行動』より)
イラスト:Niccolo Canova
※「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が2021年8月に公表した第6次評価報告書(AR6)より
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