1杯の“だし”でリラックス 疲れた体にボーンブロスが静かな人気
America [New York]
2026.02.26
text by Kuniko Yasutake
マグカップに注いで電子レンジで1分。オーブン料理を思わせる旨みたっぷりの香りが、湯気と共に立ち上がる。「ブロド(Brodo)」は、ローストした “肉付きの” 鶏、七面鳥、牛の骨を使い、有機野菜や香辛料、ハーブと共に長時間煮込むことが特徴のひとつで、他のボーンブロス商品との差別化ポイントでもある。photograph by Kuniko Yasutake
ボーンブロスとは、鶏や牛、魚などの骨を香味野菜と共に時間をかけて煮出し、タンパク質やコラーゲンなどの栄養成分が溶け込んでいるだし汁のこと。米国では料理用ストックとして1ℓ前後の家庭用サイズで販売されているのが一般的だ。だが今、ニューヨーク発の「ブロド(Brodo)」が、調理せずに“そのまま飲めるホットドリンク”として1人前パウチ入りでリニューアル展開し、再評価されている。
英語圏では本来、スープなどの汁物は「食べる(eat)」ものとして認識される。一方で、ブロドはだし汁を「飲む(drink)」ものとして紹介している点が画期的だ。さらに、起きがけや仕事の合間、夜のひと時に、“コーヒーやアルコールの替わりに1杯”という提案も、アメリカ人消費者の目に新鮮に映っている。
このメッセージングの背景にあるのは、ネットやSNSに溢れる健康法に振り回され、心身がすり減ってしまう「ウェルネス疲れ」と近年の消費者動向の変化だ。情報過多やストレス、不安定な社会情勢といった日常の緊張の中で、サプリメントや飲酒に頼らず、日々の食事で神経を穏やかに整えたいという意識が、スーパーや小売店での食料品選びに表れ、その傾向は右肩上がりにある。
また近年、腸脳相関(gut-brain axis)という“内臓マップ”の研究が進み、腸内環境と情緒・神経機能のつながりについて、医療分野に限らず広く語られるようになった。ボーンブロスに含まれるグリシンなどのアミノ酸や、マグネシウムなどのミネラルは、腸の働きを助けるだけでなく、神経疲労の軽減や感情の安定、睡眠の質をサポートする可能性が示されている。
塩分を控え、糖類無添加。丁寧に灰汁を取りながら仕上げたクリーンな風味――手軽な「自然由来の機能性ドリンク」として、ブロドが静かに支持を広げている。
◎Brodo
各フレーバー33ドル/1USカップ(235g)6本パック
チキンとビーフは3USカップ入りもあり
常温保存で消費期限は1年
https://www.brodo.com/
*1ドル=153円(2026年2月時点)